小田急から都心部に入るための重要なパートナーとして、長年に渡って直通運転が行われている東京メトロの千代田線。
現在は準急や急行での運行が基本とされ、昔のように小田原線内を起終点とするようになりました。
多摩線と千代田線が直通運転をしていた時期は、少しずつ遠い過去となってきましたが、やめてしまったことは最適解だったのでしょうか。
コロナ禍を経て状況も変化しつつあるように思い、改めて考えてみたいと思います。
元々の計画では、多摩線との相互直通運転を行う想定となっていましたが、小田原線の本厚木駅を起終点とし、準急で運行を開始することとなります。
多摩線と千代田線の直通運転が始まるのは2000年のことで、朝のラッシュ時に上りの急行が走るようになりました。
限られた本数でのスタートでしたが、2002年のダイヤ改正で多摩急行という新たな列車種別が設定され、千代田線との直通運転は多摩線が基本という時代が始まります。
多摩急行は長きに渡って利用者に親しまれ、2016年に大半を急行に変更しつつも継続しますが、複々線が完成した2018年に、千代田線との直通運転は小田原線を基本とするよう変更されることとなりました。

変更の理由は、千代田線に向かう利用者が世田谷区等に多い、多摩線から乗り換えなしで新宿に行けるようにするといったものだったと記憶しています。
複々線の完成を機に、多摩線は京王に真っ向勝負を挑むスタイルとなり、列車の運行パターンも大きく変わりました。
生活様式が変化するような時期を挟みつつも、表面的には何か利用動向にポジティブな変化があったようには見えないというのが正直な感想です。
根本的な課題として、京王は小田急よりも運賃が安く、多摩センターから新宿まではICカードを利用する場合で31円の差があります。
往復で62円の差は大きく、1時間あたりの本数も多いため、状況を大きく変えるのは難しいのも事実でしょう。
千代田線との直通運転を小田原線に変えたのは、代々木上原駅の配線も影響しているとみられ、緩行線を走る準急系の列車としたかった面もありそうです。
一方で、減便後に日中の直通運転が急行になってしまったことで、前提は変わってしまいました。
このような現状を踏まえた場合、京王と真っ向勝負をすることに意味があるのかは、難しい問いになるように思います。
小田原線と江ノ島線の利用者が多く、多摩線の路線距離が短いことを踏まえると、そもそも勝負を挑む場合の前提条件が、あまりにも不利ともいえるのです。
そこで浮上するのが、それぞれの乗り入れ先である東京メトロの千代田線と、都営地下鉄の新宿線です。
ルートが直接競合する関係にはないため、差別化する要素になり、座って行けるメリットも大きいといえます。
多摩急行が設定された際には、このような点を考慮したようですが、結果は廃止となってしまいました。
需要という面でどこまであるのかは別として、差別化することで新たな需要を掘り起こせるかもしれない点では、まだ可能性があるように思うのです。
多摩線の沿線は人口が減る時期に入っていますが、新宿での直通では需要を掘り起こしにくいのが実態であり、改めて差別化戦略にシフトしてもよい気はします。
世田谷区等の利用者を拾いつつ、千代田線内に直通する列車を設定するといったやり方もありそうですから、新たな列車種別で再挑戦してみてもよさそうです。
ダイヤ乱れの影響や人員不足等、簡単ではない面もありそうですが、現状が最適解とも限らない気がしており、何らかのチャレンジをしてほしいようにも思います。
そもそも全直通列車の路線を集約しなくてもよいため、時間帯や列車によって変える昔のような設定でもよいでしょう。
いずれにしても、今の状態が最適解なのか、コロナ禍を経て考える時期にきているように思いました。
列車の本数は適正化されているように思いますが、ダイヤ上の工夫はもう少し何かできるようにも感じており、今後の動向が気になるところです。
現在は準急や急行での運行が基本とされ、昔のように小田原線内を起終点とするようになりました。
多摩線と千代田線が直通運転をしていた時期は、少しずつ遠い過去となってきましたが、やめてしまったことは最適解だったのでしょうか。
コロナ禍を経て状況も変化しつつあるように思い、改めて考えてみたいと思います。
多摩線と千代田線の関係
小田急と千代田線の相互直通運転が始まったのは、1978年3月31日に実施されたダイヤ改正からでした。元々の計画では、多摩線との相互直通運転を行う想定となっていましたが、小田原線の本厚木駅を起終点とし、準急で運行を開始することとなります。
多摩線と千代田線の直通運転が始まるのは2000年のことで、朝のラッシュ時に上りの急行が走るようになりました。
限られた本数でのスタートでしたが、2002年のダイヤ改正で多摩急行という新たな列車種別が設定され、千代田線との直通運転は多摩線が基本という時代が始まります。
多摩急行は長きに渡って利用者に親しまれ、2016年に大半を急行に変更しつつも継続しますが、複々線が完成した2018年に、千代田線との直通運転は小田原線を基本とするよう変更されることとなりました。

変更の理由は、千代田線に向かう利用者が世田谷区等に多い、多摩線から乗り換えなしで新宿に行けるようにするといったものだったと記憶しています。
複々線の完成を機に、多摩線は京王に真っ向勝負を挑むスタイルとなり、列車の運行パターンも大きく変わりました。
多摩線と千代田線の直通運転をやめてよかったのか
多摩線と千代田線の直通列車が事実上消滅してから6年が過ぎ、結果はどうなったのでしょうか。生活様式が変化するような時期を挟みつつも、表面的には何か利用動向にポジティブな変化があったようには見えないというのが正直な感想です。
根本的な課題として、京王は小田急よりも運賃が安く、多摩センターから新宿まではICカードを利用する場合で31円の差があります。
往復で62円の差は大きく、1時間あたりの本数も多いため、状況を大きく変えるのは難しいのも事実でしょう。
千代田線との直通運転を小田原線に変えたのは、代々木上原駅の配線も影響しているとみられ、緩行線を走る準急系の列車としたかった面もありそうです。
一方で、減便後に日中の直通運転が急行になってしまったことで、前提は変わってしまいました。
このような現状を踏まえた場合、京王と真っ向勝負をすることに意味があるのかは、難しい問いになるように思います。
小田原線と江ノ島線の利用者が多く、多摩線の路線距離が短いことを踏まえると、そもそも勝負を挑む場合の前提条件が、あまりにも不利ともいえるのです。
そこで浮上するのが、それぞれの乗り入れ先である東京メトロの千代田線と、都営地下鉄の新宿線です。
ルートが直接競合する関係にはないため、差別化する要素になり、座って行けるメリットも大きいといえます。
多摩急行が設定された際には、このような点を考慮したようですが、結果は廃止となってしまいました。
需要という面でどこまであるのかは別として、差別化することで新たな需要を掘り起こせるかもしれない点では、まだ可能性があるように思うのです。
多摩線の沿線は人口が減る時期に入っていますが、新宿での直通では需要を掘り起こしにくいのが実態であり、改めて差別化戦略にシフトしてもよい気はします。
世田谷区等の利用者を拾いつつ、千代田線内に直通する列車を設定するといったやり方もありそうですから、新たな列車種別で再挑戦してみてもよさそうです。
ダイヤ乱れの影響や人員不足等、簡単ではない面もありそうですが、現状が最適解とも限らない気がしており、何らかのチャレンジをしてほしいようにも思います。
そもそも全直通列車の路線を集約しなくてもよいため、時間帯や列車によって変える昔のような設定でもよいでしょう。
いずれにしても、今の状態が最適解なのか、コロナ禍を経て考える時期にきているように思いました。
おわりに
線内を通過運転する列車が減り、一昔前に戻ったようにも感じる多摩線。列車の本数は適正化されているように思いますが、ダイヤ上の工夫はもう少し何かできるようにも感じており、今後の動向が気になるところです。
コメント
コメント一覧 (74)
新百合ヶ丘でほぼ降りて町田方面が行くんですよ
ワタシダ
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ワタシダ
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特に代々木上原で直通から快速急行へ乗り換える人が多く、後を追って本厚木~伊勢原迄を急行が走る事で人混みが苦手なユーザーには混雑が緩和して助かるんです。多摩線へ直通していた時代も新百合ヶ丘迄は負担が緩和出来た事にも凄く助かっていましたが、成城や遊園止まりが多くなった事には生田~玉川学園前ユーザーの人が屈辱感を抱く様なる位に落胆しましたね。ロマンスカー利用ばかりでの出費ばかりだと、貧困層には辛いんです。
今は相模大野迄は町田止まりの急行…相模大野から登戸迄は快速急行で無理に我慢し…登戸でメトロ千代田線直通で補ってはいますけども、やはり準急以上は相模大野迄は終日直通して貰った方が助かるし、快速急行一極集中も緩和すると思う。本当は町田ユーザーと大野より先の小田原と江ノ島方面ユーザーを分割し…新宿~相模大野・唐木田と町田~小田原の系統分離で急行、下北沢~相模大野迄は通過&大野より先の小田原線は特急、江ノ島線は急行が上限の駅に停車する新車種やロマンスカーのモーニング&ホームウェイも町田ユーザー優先目的とした相模大野始発終着と海老名や本厚木、大和迄は無停車版に分割させて…複々線需要も向上させる方が更に快速急行一極集中緩和やロマンスカー座席確保率の向上も確実性が増すし、改善するべき部分は未だに存在はする。
ワタシダ
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ワタシダ
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京王多摩センター駅の客数は小田急より多いですが、利用客の3割ぐらいは橋本方面であるということを聞いたことがあります。実際に朝の橋本方面のホームにはそれなりに待ち客がいて、3割という数字が正しいかどうかは定かではないですが、京王多摩センターの客数=新宿方面ではないのは確かです。
対する小田急ですが、下りは唐木田駅しかなく、小田急多摩センターから唐木田に乗る人はほぼいないので、小田急多摩センターの客数=新宿方面と言えると思います。
そのように考えると、多摩センターー新宿間は小田急は健闘していると思います。その状況で、千代田線急行を戻すことにどれだけ小田急的に意味があるのか?というのは感じます。
京王は準特急を無くして、特急の停車駅を増やしたことで実質的な準特急となりました。そのため、新宿ー八王子間は中央線に白旗状態です。そうなると、新宿ー多摩センター間で頑張らなければいけないのは、実は小田急ではなく京王なのではと思います。橋本にリニアが来ることも、京王が相模原線に期待することが多いのは影響すると思います。京王の各駅の乗降客数を見ると、調布より西の本線でそこまで多い駅が府中と分倍河原意外に見当たらず、その2駅も小田急の駅と比較すると登戸より少ないです。
小田急の本丸は、多摩センターでの京王対決ではなく、新宿ー藤沢間での湘南新宿ラインなのではと考えられるのです。
さらに、京王と違って小田急には新百合ヶ丘より西にも町田、海老名、本厚木、藤沢と大きな駅があります。さらに相模大野の車庫後での再開発なども考えられます。
ワタシダ
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向ヶ丘遊園止まりの急行をいつかまた唐木田まで延伸して欲しいですね。
ワタシダ
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需要は微妙だったとしても
今のダイヤでは快速急行に混雑が偏っているので遊園急行と唐木田急行を合わせて(ダイヤ乱れの影響が大きくなってしまいますが…)
空いた枠に新松田急行を設定して欲しいです。
ワタシダ
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将来的に多摩線は横浜線の相模原駅(小田急相模原駅ではなく)へ延伸予定らしい。
https://www.city.machida.tokyo.jp/kurashi/sumai/kotsu/tetsukido/enshinkeikaku/ensin.html
なんでリニアが予定されてる橋本じゃねーのか?はさておき、 そーなったら1時間に1本くらいは千代田線から直通運転もして欲しいな。
ワタシダ
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小田急多摩センター~北千住 or 綾瀬を朝は毎時3本、日中毎時2本。快急でも急行でもよい。
小田急多摩センター~新宿を朝は毎時3本、日中毎時3本。快急。
ワタシダ
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一方で新宿⇔永山多摩センター間の移動に関してはどっちかが事故ってももう片方で割合スムーズに移動ができて便利に感じます特に帰宅ラッシュ時に助かっています
ワタシダ
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現在は世田谷区内区間完成から15年以上経ち、当時現役だった方々も定年退職を迎えるなどすると共にこの年月で移住した地元にも定着し、多摩線からの千代田線直通列車を設定し続ける意義が無くなったことも大きいかと思います。ただ京王との競争という点では諦めた訳ではなく、少なくとも平日ラッシュ時間帯は引き続き優等列車を設定して対抗意識を見せているようです。日中は極端に需要が減るので各停格下げで十分という判断でしょう。
ワタシダ
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ワタシダ
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ワタシダ
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京王線より条件が不利な事は、当時はわからなかったのでしょうか。
多摩センター・永山↔️新宿の運賃を京王線と同じか安くする事はできないのですか?
最高速度を引き上げる事もできないのですか? せっかくの複々線があまり活かされていないように思えるのですが。
ワタシダ
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朝7時台ラッシュ時の通勤急行と通勤準急は10分おきに2分差で来るので、どれか1つを「多摩線からの通勤準急(小田原線からの通勤急行を待ち合わせ)」にしてみると良いのではないかと。
新百合遊園間は抑速なので2分程度遅れてもすぐに先行する快速急行に追いつけるでしょう。
ワタシダ
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あとは所要編成(特にA運用)を減らさないと運用が回らない中で多摩線に10両編成を回さざるを得ないというのもあるようですが。
ワタシダ
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実感として千代田線都心方面の通勤者は少ない、
日中も新宿まで乗り換えなしで行ける方がよいでした。
もう一つ住んでいて実感したことで小田急は多摩ニュータウンで京王と競争より、
自社グループが開発した五月台―はるひ野の川崎市区間の利便を考えていたのではないかということです。
ワタシダ
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いずれにせよダイヤ乱れ時に直通をすべからく運休するのは他社に例を見ないサービス低下なので早く対策すべきだと思います。メトロやJREのせいにする向きもありますが、肌感覚でいえば踏切がありホームドアも少ない小田急側に責任のあるケースも決して少なくないです。
ワタシダ
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全駅10両対応の多摩線を減車して6両は足りるのかとか、伊勢原で折り返しを捌けるのかとか、使用料は相殺できるのかとか、諸々興味深いです。
ワタシダ
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個人的には直通運転はやめるべきではなかったと
思います。朝夕の新百合ヶ丘駅の混雑ぶり(特に朝のラッシュ時)は相当なものですし、多摩線利用者は都心へ出るのに一旦新百合ヶ丘で降りねばなりませんし精神的負担も大きいです。
ワタシダ
が
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向ケ丘遊園どまりの急行なんて誰も使わないので伊勢原まで延長させ、遅延時の対策としては微々たるものですが町田で快速急行に追い抜かせ(深夜の急行本厚木行が遅延対策かどうか不明ですが同様の退避をしてます。正直向ケ丘遊園での退避が最適ですが、快速急行への利用が集中するのと新百合ヶ丘で接続する各駅停車の出発時刻を遅らせることとなるので無理です)、その隙に本厚木へ行く各駅停車を終点まで逃げ切らせるのが最適と思います。
ワタシダ
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ワタシダ
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千代田線入線遅れに起因する小田原線下部の遅延波及はかなり減ったように思えます。
一方で千代田線からの列車が多摩線に乗り入れなくなったことで、新宿からの10両急行が多摩線に乗り入れてますが、特に日中の新百合ヶ丘-唐木田間はいくら種別変更して各停にしてるとは言え10両では勿体ないというか、この10両の列車は本線に流した方のが絶対に需要があると感じます。
新宿発の10両急行は本線に流してそれを補うために千代田線からの列車を遊園で止めず多摩線に流すダイヤのが良いような気もするんですが、遅延波及だったり大人の事情で難しいんですかね。
ワタシダ
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ちなみに千代田線直通列車を多摩線方面に流したのは3社間の直通距離を揃える意図もあったと考えられ、それぞれ以下の距離になります。
・常磐緩行線綾瀬〜取手間29.7km
・千代田線綾瀬〜代々木上原間22.5km
・小田原線及び多摩線代々木上原〜唐木田間28.6km
このように直通距離を揃えることで車両の走行距離を調整することも容易であり、3社直通対応化後は各社の車両運用も柔軟になるメリットもありました。それにも拘らず多摩線との直通運転を取り止めてしまったのは些か勿体ない気がします。今後向ヶ丘遊園以西の複々線化で復活するのかも含め、ますます動向が気になるこの頃です。
ワタシダ
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ワタシダ
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ワタシダ
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