車両から発生する騒音を抑えるため、全密閉式のモーターを積極的に採用してきた小田急。
新型車両の登場、リニューアルの進行によりその割合は高まりつつあり、既に過半数を超える勢力となりました。

20240713_02

全密閉式のモーターを搭載する車両はどれぐらい増えたのか、2024年が終わる段階での両数を確認し、現状を整理してみたいと思います。

全密閉式のモーターを搭載する車両

2004年に登場した50000形(VSE)において、小田急は全密閉式のモーターを初採用しました。
車両から発生する騒音を抑えるべく、3000形では床下全体にカバーを装着する試験を行っていた小田急ですが、4000形からは全密閉式のモーターを本格的に採用し、対策を強化していくこととなります。

新造車両はもちろんのことながら、リニューアルや組み替え時にも全密閉式のモーターが採用されたことで、全体に対する割合は高まりました。
現状はどのぐらいの勢力になっているのか、まずは形式単位で両数を確認してみたいと思います。

以下は全密閉式のモーターを搭載している車両の両数で、括弧内は形式全体の電動車の両数を示します。

【通勤型車両】
8000形:22両(40両)
1000形:49両(49両)
2000形:0両(36両)
3000形:55両(185両)
4000形:96両(96両)
5000形:60両(60両)

【特急型車両】
30000形:25両(33両)
60000形:26両(26両)
70000形:8両(8両)

結果はこのようになり、全密閉式のモーターを搭載する車両が一切ない形式は、既に2000形のみとなっています。
全密閉式のモーターを搭載する車両の割合は64%で、1000形のリニューアルや5000形の登場で一気に増えたことが分かりました。

モーターの種類が混在する形式

同一形式内に全密閉式のモーターを搭載する車両と、そうではない車両が混在するのは、8000形、30000形、3000形の3形式となっています。
30000形はEXEとEXEαの違いですが、8000形と3000形はやや複雑です。

8000形については、2007年度にリニューアル行った8264Fより、全密閉式のモーターを使うようになりました。
6両は8263Fから8265Fまでが搭載車両で、4両は全車両が全密閉式のモーターとなっています。

3000形は3次車以降の編成において、全密閉式のモーターとなった車両があります。
分かりやすいのはリニューアルを行った編成ですが、それ以外にも搭載している車両が増えており、やや複雑化してきました。

6両については、リニューアルの有無で判別できますが、8両は8000形の廃車等で発生したモーターに換装したと思われる編成があり、3652Fから3654F、3657Fが全密閉式のモーターとなっています。
10両は3081Fから3083Fのみが全密閉式のモーターで、それ以外の編成は従来のモーターです。

おわりに

勢力の拡大が続き、既に過半数を超えている全密閉式のモーターを搭載した車両。
今後も増えることしかないと思われるため、小田急に在籍する車両が全密閉式のモーターに統一される日は、意外に遠くない未来なのかもしれませんね。