最盛期には25本を数え、各駅停車の主力として活躍していた小田急の8両固定編成。
10両化等により数を減らしていますが、現在も各駅停車では主力の編成となっています。

そんな8両固定編成ですが、10両化が進められてきた近年の動きにも変化があり、追加増備の可能性を感じなくもありません。
小田急が再び8両固定編成を増備する可能性について、今回は考えてみたいと思います。

8両の運用は今後も減るのか

小田原線の各駅停車といえば、長年に渡って8両というのがお決まりのパターンでした。
優等列車が10両を基本としているのに対し、2両だけ短いという状態でしたが、ホームの長さが足りない駅が残っていたため、やむを得ず8両としていた面もあるといえます。

新宿から新松田にかけての全駅が10両の停車に対応して以降、3000形については一部の8両を10両化する対応が行われ、現在の8両固定編成は2000形が9本、3000形が8本となっています。
合計は17本ということになりますが、各駅停車では8両と10両が混在している状況で、混雑する列車に10両を集中させているような印象もなく、10両化した意味は薄れているといえそうです。

そんな状況下において、登場から30年を迎えつつあるのが2000形です。
部分的に手入れはされていますが、リニューアルと表現できる対応はされていないため、間違いなく現在の小田急で最も内装が痛んでいる車両となっています。

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遠くない未来には、2000形の置き換えが行われる可能性が高いとみられますが、その際に10両と交代するのかといえば、やや疑問符がつきます。



仮に8両を小田急からなくさない場合には、2000形の置き換えを新たな8両固定編成で行うことになりますが、それだけなのかというのが気になる点です。
利用動向を加味したダイヤに変更されたことを踏まえれば、10両を8両で置き換える可能性もあるのではないでしょうか。

2025年のダイヤ改正では、急行が多摩線の全駅に停車することになりますが、そもそもこの列車を全て10両で運行するとも限らないように思います。
江ノ島線に8両が入線しそうな準備や、開成駅の留置線に8両用の停止位置目標が設置される等、8両の運用に変化がありそうな動きが多発しているのも事実です。
時間帯や列車種別によっては、8両を充当できる混雑の優等列車もあることから、今までとは違う動きが出てきてもおかしくはありません。

8両固定編成を追加増備する可能性

8両の優等列車が設定されるかどうかは別にしても、8両固定編成の追加増備自体はありえそうです。
その場合には、5000形の8両となる可能性が高いように思いますが、編成は5081Fや5501Fあたりが有力候補でしょうか。

10両から2両を抜き、新たに8両固定編成を生み出す可能性もありえなくはないですが、3000形や4000形でそれをする必要があるのかといえば、ないというのが正直なところです。
抜いた2両を他の編成に組み入れたりした場合、不必要なコストがかかってしまうため、わざわざ3000形を10両化までした以上、考えにくいといえます。

8000形の4両を残して、2編成を組み合わせるといった方法もありますが、これもあえてする必要が感じられず、夢物語となるでしょう。
結局のところ、8両編成の列車を今後も運行する場合には、新たな8両固定編成が増備されることになりそうですが、そのあたりの方向性を予測するうえで、今回のダイヤ改正は重要な意味を持ちそうです。

おわりに

小田急で生じている様々な動きから、今後もなくなることはないように感じている8両編成。
新たに8両固定編成を増備するとなった場合、どのような展開となるのでしょうか。