東京メトロの千代田線と直通運転をする列車が復活し、全駅が急行停車駅に変更される小田急の多摩線。
各駅停車しか走っていなかった時代と比べれば、随分と思いきった変更にも思いますが、これは同時に日中以外を走る列車の減便を意味していると考えられます。

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多摩線の全駅を急行停車駅とすることで、減らすことができる列車はどれぐらいありそうなのでしょうか。

現在の列車種別ごとの運行本数

2002年に多摩急行が登場し、本格的に優等列車が走る時代を迎えた多摩線ですが、近年は新百合ヶ丘駅で列車種別を変更し、各駅停車となる列車が増加しつつありました。
土休日の日中から始まった列車種別の変更は、平日の日中にも行われるようになったほか、段階的に時間帯も拡大されています。

多摩線内を各駅停車として走る列車の増加により、運行本数自体は減少していることになりますが、最新の状況はどうなっているのでしょうか。
多摩線内を運行する列車を種別単位でまとめると、以下のとおりとなります。

【上り(平日)】
各駅停車:107本
急行:18本
通勤急行:9本
快速急行:0本
合計:134本

【下り(平日)】
各駅停車:110本
急行:22本
通勤急行:0本
快速急行:4本
合計:136本

【上り(土休日)】
各駅停車:108本
急行:14本
通勤急行:0本
快速急行:2本
合計:124本

【下り(土休日)】
各駅停車:108本
急行:15本
通勤急行:0本
快速急行:0本
合計:123本

平日の朝に走る通勤急行は維持されていますが、快速急行は既に数えるほどしかなく、急行についても思っていた以上に少なくなっていました。
年々調整が進められていた運行本数は、2025年のダイヤ改正で適正化が完了するということなのかもしれません。

多摩線の減便はどこまで進むのか

既にかなり減っていた多摩線内の急行ですが、列車の運行本数自体はまだ減るのでしょうか。
今回のダイヤ改正では、新百合ヶ丘で列車種別を変更する運用を中止し、多摩線内の全駅を急行停車駅としますが、同時に線内を往復する各駅停車も少なくなるものとみられます。

多摩線内を急行で走る列車がある場合、1時間あたりの本数は9本程度となりますが、列車種別を変更する場合においては6本程度になっており、ダイヤ改正後はこれが基準になるものと思われます。
つまり、現在は急行が走っている時間帯についても、1時間あたりの本数が減らされるものと考えられ、多摩線を走る1日あたりの運行本数自体も減るのでしょう。

ダイヤ改正後において、このような法則を前提として考えた場合、多摩線内の全駅に停車する列車が1時間に9本となる可能性は低いとみられます。
つまり、現在は急行として運行されている分を減らし、ほとんどの時間帯で10分間隔になると考えられるわけですが、そう単純でもないように思いました。

10両編成での運行となれば、ほとんどの時間帯が10分間隔でまかなえる多摩線ですが、朝のラッシュ時については事情が異なります。
通勤急行はそのままでしょうし、通学の需要が高まる時間帯については、通常より運行本数が多くなる可能性もありそうです。
快速急行の運行本数がどうなるのかも気になるところですが、1日あたり10本から20本程度の減便となることが見込まれ、多摩線は両数を増やしつつ本数を減らす方向となるのでしょうね。

おわりに

多摩線内を急行として走る列車は既に少なく、全駅を停車駅化するのは必然なのかもしれません。
1日あたりの運行本数はさらに減ると予想されますが、どのようなダイヤとなるのでしょうか。