東京メトロの千代田線との直通運転が復活し、日中は急行しか走らないようになると思われる小田急の多摩線。
線内折り返しが基本だった時代を知る身としては、通過運転の減少という変化こそあるものの、多摩線は新時代に移るのかなという印象です。

そんな多摩線ですが、急行を中心にした運行体系となることで、今後も6両編成の列車が走るのかという点が気になります。

走行区間が限定されるようになった6両編成

基本編成を4両と6両にしていた小田急では、長く全線で6両編成単体で走行するシーンを見ることができました。
しかし、近年は各駅停車でも長編成化が進められたことから、新百合ヶ丘駅から新宿寄りで6両の列車を見る機会は減少し、定期運用自体がなくなっています。

厳密には、現在も新宿駅で6両編成の列車を見ることはできますが、それはあくまでもロマンスカーに限られます。
通勤型車両については、ホームドアが設置されたことも重なり、今後は新宿寄りの区間で単独6両の運用が設定されることはなさそうです。

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小田原線の小田原寄り、江ノ島線、多摩線で運用される単独6両ですが、現在も残る6両編成の通勤型車両については、全編成が海老名検車区の所属となっています。
夜間を中心に停泊も行われており、新百合ヶ丘、相模大野、相武台前、足柄、小田原、片瀬江ノ島、唐木田で、夜を明かす6両編成を見ることが可能です。

現状において、6両編成の列車を見る機会が多いのは町田以西となりますが、多摩線についても線内の往復運用で使われるため、新百合ヶ丘から町田までの区間でも回送で走るシーンが見られます。
新宿寄りでの運用がなくなったため、多摩線のために回送を走らせている状態ですが、以前はハズレの各駅停車として6両があったことを踏まえれば、かなり長編成化が進んだ印象です。

多摩線を走る6両編成は残るのか

日中の列車が急行になることで、多摩線を走る6両編成はどうなるのでしょうか。
ラッシュ時には線内運用が残ると思われるため、それが6両編成になる可能性はありますが、五分五分といったところかと思います。
回送を走らせる必要があるとはいえ、1日に数本のレベルであることを踏まえれば、現状と同じようなスタイルで継続するかもしれません。

一方で、6両編成の車両自体が少なくなってきた現状を踏まえれば、多摩線から6両の運用をなくすことで、現状の在籍車両で余裕を生むこともできそうです。
わざわざ回送を走らせる必要があることから、1日に数本だけを6両で走らせることは考えにくく、残る場合には朝夕のラッシュ時を中心に多数の運用があると思われ、ある程度走るか、全く走らないかのどちらかになるものとみられます。

仮に6両編成が走らなくなる場合には、その穴を8両や10両の編成が埋めることになりそうです。
朝のラッシュ時において、新宿へと向かう各駅停車に10両を充当するとすれば、多摩線には8両が走る可能性もあり、通学時間帯の列車を中心にどのような運用となりますでしょうか。
いずれにしても、最終的には多摩線から6両の運用がなくなる可能性は高いと思われ、タイミングがいつかということになりそうです。

おわりに

編成の両数ごとに、運行する区間を限定し始めているように感じる近年の小田急。
千代田線との直通運転を多摩線にすることは、6両の列車をなくす布石のようにも感じています。