終点の小田原駅において、東海道新幹線との乗り換えが可能な小田急の小田原線。
駅に入る直前で線路が立体交差し、タイミングが合えば両社の車両がコラボする姿を見ることができます。

20250103_01

小田急沿線民が新幹線を利用する場合、他には東京駅や新横浜駅に向かうというのが一般的ですが、他にも幻となった二つの駅がありました。

新宿駅に乗り入れる可能性があった二つの新幹線

小田急の起点である新宿駅には、かつて上越新幹線の乗り入れ計画が存在しました。
正確には、存在したという表現は不適切かもしれず、明確に計画が進んでいないだけで、現実的には頓挫しているという状態でしょうか。

現在は大半が東京駅から発着する上越新幹線ですが、起点は大宮駅となっており、東北新幹線に乗り入れるという運行形態になっています。
開業までの段階において、東京都内のターミナル駅を新宿とする計画があり、武蔵野線の開通によって列車が激減すると予想される貨物線の用地を使う想定でした。

上越新幹線の起点を新宿駅にしようとした背景には、線路容量が後々ひっ迫する可能性や、成田新幹線との直通運転が関係していたようですが、前者はそこまでの状況には現在もなっておらず、後者については建設自体が中止されてしまいました。
二つ目の新幹線となる成田新幹線は、起点を東京駅としつつ、将来的に新宿駅までの延伸を構想していたようで、上越新幹線と直通運転を行うことも考えられていました。

どちらも実現に至ることはありませんでしたが、仮に開通していれば小田急沿線にとって大きなインパクトであったことでしょう。
新宿駅まで出れば、群馬県や新潟県方面に行けただけではなく、成田空港までも楽に行けたとなれば、全く今とは違う世界となりそうです。

相模原駅も候補になっていたリニア中央新幹線

開業時期は延期となってしまいましたが、現在建設中のリニア中央新幹線についても、小田急とは少しだけ縁があります。
神奈川駅内に設置される駅について、当初は相模原駅付近も候補地としてあがっていました。

相模原駅といえば、隣接する米軍の相模総合補給廠が返還されることに合わせ、多摩線の延伸予定先として計画されています。
リニア中央新幹線についても、これと関連した動きであったわけですが、安全保障上の理由等を背景として、橋本駅付近に決まりました。

橋本駅には、JR東日本の横浜線と相模線、京王の相模原線が乗り入れています。
現在は相模原や上溝方面への延伸が構想されていますが、小田急の多摩線も元々は橋本駅まで乗り入れる計画があり、実現しなかったという背景があります。
現在の延伸予定先、かつての延伸予定先、両方がリニア中央新幹線と縁がある駅ということになりますが、小田急にとっては上手くかみ合わなかったといえそうです。

おわりに

新幹線に関係する計画が近付きつつも、結果的に小田原駅のみが接続駅として落ち着いた小田急。
相模原駅から横浜線に乗り入れられたり、相模原線がもしも狭軌だったら等と考えてみたくもなりますが、どちらも夢物語というところでしょうかね。