久し振りにダイヤ改正を行い、混雑の集中や不便な部分を改善する試みがみられる小田急。
本数としてはそこまで多くないものの、夜のラッシュ時に走る千代田線から直通する列車については、一部が準急から急行に変更される予定となっています。

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急行として運行される列車は、伊勢原行きとして走りますが、なぜ変更が行われるのでしょうか。

夜のラッシュ時に走る準急の5本を急行に変更

2025年3月15日に行われるダイヤ改正は、準急の停車駅追加や多摩線の全駅に急行が停まるようになる等、近年としては規模が大きいものとなります。
他のインパクトが大きいため、やや目立ちにくくはなっていますが、夜のラッシュ時においても変更があり、東京メトロの千代田線から乗り入れる列車について、準急の一部が急行に変更されることとなりました。

対象となる列車は、平日の18時台から20時台にかけて運行される5本で、行先は伊勢原駅となります。
現行のダイヤにおいても、夜に急行の伊勢原行きは設定されていますが、走るのは21時台以降のことであり、走り始める時間帯が前倒しされるイメージです。

準急から急行に変更される列車ですが、現時点でどのようなダイヤになるのかについては、詳細が分からない状態となっています。
時間帯と本数を踏まえれば、30分程度の間隔で設定される可能性が高いといえますが、偏っている可能性もなくはありません。

前提として、急行の伊勢原行きは新たに設定されるというより、復活するという表現のほうが正しいといえます。
減便前のダイヤでは30分間隔で設定されており、それを準急に変更したという経緯でしたが、今回の5本は以前設定されていた列車に近い存在になるのでしょう。

準急はなぜ急行に変更されるのか

小田急からの発表時にも触れられていますが、急行への変更は代々木上原駅と快速急行の混雑緩和が目的です。
コロナ禍が終わり、ある程度の混雑が戻ってきてからというもの、夜のラッシュ時は快速急行の混雑が酷い状態で、今回の変更はこれを解消する目的があります。

快速急行の混雑を解消させたければ、単純に快速急行を増やせばよさそうにも思いますが、2本を続行させない限りは難しいのが実情です。
そうなると、いかに他の列車に乗せられるかということになりますが、それを狙っているのが急行の伊勢原行きということになります。

直通運転をする列車が設定されているとはいえ、小田急と千代田線が接続する代々木上原駅では、多くの乗客が乗り換えを行います。
その理由として、千代田線からの直通列車は準急以下の列車が大半であり、どうしても長距離利用者が快速急行に流れる現状があります。

乗り換えが発生すること自体は仕方がないといえますが、問題はその偏りが酷いことです。
タイミングにはよりますが、快速急行は千代田線の3本分の乗り換えを受けるケースがあり、今回は主にこれを解消するものと思われます。

どうしてこのようなことが起こるのかというと、準急が代々木上原駅に到着した際に、乗り換えられる列車が急行の唐木田行きというケースがあるためです。
町田方面に行く場合、その急行を見送って快速急行を待ちますが、その間に代々木上原止まりの千代田線が2本入ると、3本を受けるという状態になります。
準急を急行の伊勢原行きにすれば、そのまま乗り続けることが可能になるため、結果的に快速急行が空くということになるわけですが、どのタイミングに急行を設定するかが気になるところです。

おわりに

快速急行への混雑集中を緩和するべく、急行へと変更される夜の準急。
変更される列車がどれになるのかが気になるところですが、どういう結果となりますでしょうか。