路線の起点から離れていながら、小田急の中ではかなり利用者が多い町田駅。
JR東日本の横浜線に乗り換えることが可能で、少し離れている改札を足早に歩く人波がおなじみとなっています。

20210919_02

2023年度に明け渡してしまいましたが、町田駅は長年に渡って乗降人員が2位の駅でした。
中間駅の王者のような存在であったわけですが、そもそも初めて2位になったのはいつのことなのでしょうか。

乗降人員の2位が定位置だった町田駅

小田急で最も利用者が多い駅といえば、世界有数のターミナル駅としても名を連ねる新宿駅です。
乗り入れている路線が多いため、当然といえば当然ではありますが、多くの人々が終日に渡って行き交う駅となっています。

そんな小田急において、長年に渡って2位となっていたのが町田駅で、起点の新宿駅から30.8kmも離れていながら、線内有数の乗降人員を誇ってきました。
しかし、2023年度に代々木上原駅が逆転を果たし、現在は3位という状態になっています。
町田駅が3位以下になることは珍しく、2024年度以降の順位がどうなるのか、今後についても気になるところです。

町田駅が2位になったのはいつなのか

町田駅といえば、不動の2位ぐらいのイメージがありますが、そもそも乗降人員が2位になったのはいつなのでしょうか。
最初から2位だったわけではないと思い、調べてみることにしました。

以下は1日平均乗降人員が2位の駅を年度別にまとめたもので、1位は全て新宿駅でした。

1927年:-
1928年:下北沢
1929年:下北沢
1930年:下北沢
1931年:下北沢
1932年:下北沢
1933年:下北沢
1934年:下北沢
1935年:下北沢
1936年:下北沢
1937年:-
1938年:下北沢
1939年:下北沢
1940年:下北沢
1941年:下北沢
1942年:下北沢
1943年:-
1944年:-
1945年:-
1946年:下北沢
1947年:下北沢
1948年:下北沢
1949年:下北沢
1950年:下北沢
1951年:下北沢
1952年:下北沢
1953年:下北沢
1954年:下北沢
1955年:下北沢
1956年:下北沢
1956年:下北沢
1957年:下北沢
1958年:下北沢
1959年:下北沢
1960年:下北沢
1961年:下北沢
1962年:下北沢
1963年:下北沢
1964年:町田
1965年:町田
1966年:町田
1967年:町田
1968年:町田
1969年:町田
1970年:町田

1970年までの結果を見てみましたが、結果はこのようになりました。
主要な駅しかデータがないものの、それ以外の駅が2位になっているとは考えにくいため、順位自体は正しいものと思われます。
戦争が激化した時期のデータが抜けているという点が、妙に生々しく感じられました。

さて、結果を見れば分かるとおりで、町田駅が2位になったのは1964年のことでした。
元々は下北沢駅が強く、1933年に帝都電鉄(現在の京王井の頭線)が開業するのも納得の結果ですが、その不動の地位を町田駅が奪ったことになります。

町田駅の利用者が爆発的に増えるのは1960年代で、急速に住宅が開発された時期と重なっていました。
ベッドタウンとして開発が進み、周辺の人口が急激に増加したことで、下北沢駅を抜いていった構図となっています。

おわりに

長年に渡って2位を維持した町田駅ですが、その座を代々木上原駅に明け渡すこととなりました。
このまま順位が入れ替わって定着するのか、今後の推移にも要注目ですね。