現在は高架駅となり、建物の中に出入りしている江ノ電の藤沢駅。
高架化が行われたのは1970年代のことで、駅周辺の再開発に合わせて駅を移転し、現在の姿となりました。

そんな江ノ電の藤沢駅ですが、工事期間中に仮設の駅で営業した時期がありました。
短期間だけ見られた貴重な風景を、小田急指令掛川様よりご提供いただいた写真で振り返ります。

藤沢で行われた駅舎の移転と高架化

小田急とJR東日本の駅舎からは、やや離れた位置にある江ノ電の藤沢駅ですが、昔は隣り合う位置関係でした。
現在とは異なり、線路は地上を走っている状態で、小田急の改札を出てすぐの場所で江ノ電に乗り換えられたことになります。

そんな江ノ電の藤沢駅に変化が生じたのは、1970年代に行われた藤沢駅周辺の再開発の際で、ロータリー等を整備する関係から、立体化が必要となりました。
地下化も検討されたようですが、当時の江ノ電で走っている車両を難燃化する必要がある等、現実的ではなかったため、高架化が選択されることとなります。

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写真提供:小田急指令掛川

藤沢駅側から石上駅方面を見たと思われる写真です。
地上を走る線路の横で、高架橋が建設されつつあり、過渡期ならではの貴重な風景といえます。
建設された高架橋は、カーブしつつ道路の上を抜け、ODAKYU 湘南 GATEの中へと入っていくこととなりました。

仮設の藤沢駅はどこにあったのか

再開発により高架化された藤沢駅ですが、工事の過程で駅の位置が変更され、仮設の状態で営業した時期がありました。
当時の貴重な写真をご提供いただいたので、早速それを見てみたいと思います。

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写真提供:小田急指令掛川

仮設となった時点で、藤沢駅は1線のみとなっていたようです。
右側には建設が進む高架駅の姿も見えており、当時の位置関係がなんとなく分かります。

駅の位置としては、現在OPAが営業している付近で、道路の間に緑地帯が設けられているのが旧線時代の名残ということになります。
写真の奧を見ると、移転前と思われるさいか屋が写っており、藤沢駅周辺が大きく変わる時期における、貴重な風景といえそうです。



写真を提供いただいた小田急指令掛川様は、数々の貴重な映像も撮影されています。
YouTubeにて公開中ですので、よろしければそちらもご覧下さい。

おわりに

仮の駅舎で営業を行いつつ、高架駅へと変化していった江ノ電の藤沢駅。
車両の近代化が進み、現在は観光客で溢れる路線となりましたが、当時からは想像もできない姿なのでしょうね。