まもなく行われるダイヤ改正においても、現状は維持されることになりそうな6両の急行。
混雑等の面で色々な声を耳にしますが、設備や列車密度の面で元に戻すのが簡単ではないのも事実で、小田急にとっても頭の痛い問題といえます。

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そんな6両の急行ですが、運行区間の関係で通過する駅はそこまで多くありません。
多摩線の急行が実質的に各駅停車となる中、同様の対応になる可能性について考えてみたいと思います。

様々な面で中途半端な6両の急行

2022年のダイヤ改正において、日中を中心に本数が増えた6両の急行は、主に町田駅から小田原駅の間を走っています。
急行とはいっても、新松田以西では各駅停車に列車種別を変えるため、通過運転をするのは実質的に町田駅から本厚木駅までの列車です。

6両の急行自体は、減便前の時期にかなり減っていたのが珍しいぐらいで、以前は比較的多く見られる存在でした。
一方で、各駅停車でさえ10両が走る小田急において、6両の急行は輸送力が不足気味なのは否めず、郊外とはいえ混雑の面では課題があるといえます。

混雑以外にも課題はあり、相模大野駅で快速急行との乗り換えが発生するため、長距離利用者の特権でもある着席メリットが得にくくなりました。
利用者もそのあたりは理解しているため、6両の急行には乗らず、快速急行に時間を合わせるといった動きがあるようです。

2025年3月15日に行われるダイヤ改正において、多摩線内の全駅が急行停車駅となりますが、6両の急行にも今後関連しそうな気になる動きといえます。
やや中途半端な存在となっている6両の急行は、通過する駅が4駅しかないため、多摩線と近い条件が揃っているのです。

6両の急行を各駅停車にする可能性

6両の急行を各駅停車にした場合、所要時間はどれぐらい変わるのでしょうか。
途中駅での待避がないとすれば、各駅停車化による所要時間の増加はそこまでないため、ダイヤ次第ではほとんど影響がないと考えられます。
通過していた4駅の利用者にとっては、各駅停車化により1時間あたりの本数が増えるため、多摩線と同じくメリットがあるケースもあるでしょう。

快速急行が3本というのは、江ノ島線と同様の状態となりますが、小田原線は特急の運行が頻繁にあるため、そういう面では差別化が維持されます。
経営的な観点でいえば、急行がなければ特急への誘導が図れるため、混雑が分散することも含めて極端なデメリットはなさそうです。

以前のように、新宿駅からの急行を期待する声は多いのでしょうが、区間によっては優等列車の本数が過剰だった面は否めず、復活は厳しいように思います。
本数が増やせないことを前提にすれば、ダイヤを工夫して上手く混雑を分散し、接続をよくすれば利用者にメリットがあるため、そのような方向性は意外とありなのかもしれません。

おわりに

勝手なことを色々書きましたが、新宿駅との間を走る各駅停車と、江ノ島線の快速急行との接続が鍵になることなのでしょう。
そんなダイヤが実際に組めるのかは完全に無視していますが、実際のところはどうなのでしょうね。