5000形の増備により、現在は8000形が数を減らしつつある小田急。
長編成化によって8両や10両の固定編成が増加し、4両や6両の編成はかなり少なくなりました。

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在籍する車両が4両編成以上になってから、現在までに両数の構成比率はどう変遷してきたのでしょうか。
鉄道ピクトリアルの臨時増刊号を参考にして、その変化を辿ってみたいと思います。

臨時増刊号発刊時点の構成比率

鉄道ピクトリアルでは、臨時増刊号で定期的に私鉄の特集が組まれており、小田急は約10年周期で扱われてきました。
構成比率の変化を見ていくにあたり、約10年の周期は分かりやすいと思い、今回は発刊時点の比率を確認していきたいと思います。

昔になればなるほど、2両といった短い編成が在籍するため、今回は小田急の通勤型車両が4両以上に統一された時期に絞りました。
以下は各号が発刊された時期の編成両数ごとの本数で、括弧内は全体に対する構成比率を示します。

【1991年(546号)】
4両:69本(44.8%)
6両:85本(55.2%)

【1999年(679号)】
4両:73本(45.1%)
6両:75本(46.3%)
8両:10本(6.2%)
10両:4本(2.5%)

【2010年(829号)】
4両:49本(30.2%)
6両:65本(40.1%)
8両:25本(15.4%)
10両:13本(8.0%)

【2020年(976号)】
4両:33本(20.4%)
6両:53本(32.7%)
8両:18本(11.1%)
10両:35本(21.6%)

結果はこのようになり、1991年の時点では4両と6両以外が在籍せず、8両や10両は必ず2編成を繋いでいたことになります。
併結の多くが異形式だったことも含めて、小田急が大きく変化してきたことを実感する結果となりました。

最新の構成比率はどうなっているのか

過去の変化を見ていくと、固定編成の比率は年々上がってきたことが分かります。
1999年の時点でも8両や10両が登場しており、2600形の組み替えや、1000形と2000形の登場が影響していました。

3000形が登場し、通勤型車両の置き換えが本格化した後は、8両固定編成の増加により4両の編成が数を減らしていきます。
10両固定編成が増えると、4両と6両はさらに数を減らし、多数派を構成する編成両数は大きく変化しました。

前回の臨時増刊号が出てから、既に4年以上が経過していますが、今も5000形の増備は続いています。
最新の構成比率がどうなっているのか、現状の数字も確認してみましょう。

【現在】
4両:15本(9.3%)
6両:35本(21.6%)
8両:17本(10.5%)
10両:49本(30.2%)

4両と6両はかなり数を減らし、10両が圧倒的な多数派となっていました。
8000形の廃車が進むと、さらに4両と6両は減るとみられますが、数年後はどのような状況になっているのでしょうか。

おわりに

8両や10両の固定編成が増えたことで、相対的に数を減らしてきた4両と6両。
完全になくなることはないと思われますが、最盛期に比べればかなりの少数世帯となっていきそうです。