小田急の起点であり、利用者が世界で最も多い駅となっている新宿駅。
1日を通して多くの人々が行き交い、他の路線に乗り換える場所にもなっています。

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そんな新宿駅ですが、最初からターミナル駅だったわけではなく、路線が集まっていくことで現在の姿になりました。
小田急もそのうちの1路線ということになりますが、何番目に開業した路線だったのでしょうか。

多くの路線が乗り入れる新宿駅

駅舎が独立していることや、位置が異なってはいますが、新宿駅には多くの路線が乗り入れています。
起点となっている路線も多く、新宿駅から放射状に各路線が広がっており、それらから多くの乗客が都心部に向かって集まってくるようになりました。

新宿駅に乗り入れる鉄道会社は、JR東日本、京王、東京メトロ、都営地下鉄、それに小田急を加えた5社ですが、西武新宿駅も新宿駅のようなものであり、実質的には6社ということになるでしょう。
小田急のように一つの路線である会社と、JR東日本のように複数の路線が乗り入れている会社があり、それらを全て足し上げると莫大な路線数となります。

新宿駅に乗り入れる路線で最も新しいのは、1997年に開業した都営地下鉄の大江戸線で、地下深くに線路が敷かれました。
2000年に新宿西口駅も開業していますが、大江戸線は6の字型の環状運転を行うため、新宿駅から新宿西口駅に行く場合は、かなり長い時間を車内で過ごすことになります。

小田急は何番目に開業したのか

様々な路線が乗り入れる新宿駅ですが、小田急は何番目に開業したのでしょうか。
小田急が小田原線を開業したのは1927年ですが、それ以前から新宿駅に乗り入れていた路線を確認していきましょう。

まず、最初に開業したのはJR東日本の山手線で、1885年のできごとでした。
これが新宿駅の最初ということになりますが、開業当時にJR東日本が存在するわけはなく、日本鉄道の品川線として産声を上げています。
日本鉄道は後に国有化される日本初の私鉄で、品川線は赤羽から品川までを結ぶ路線でした。

山手線に遅れること約4年、次の路線は1889年に開業しました。
これもまたJR東日本の路線で、現在の中央本線にあたります。
当然ながら中央本線も別の会社であり、甲武鉄道という私鉄として開業し、後に国有化されることとなりました。

先に開業した2路線の国有化後、1915年には京王の駅が開業しています。
現在は地下を走っていますが、開業当時は甲州街道上を走る軌道線だったため、時の流れの中でかなり姿を変えた路線です。

京王に続いた路線は意外にも西武で、1923年に西武軌道線として開業し、後に西武新宿線となりました。
しかし、この路線は現在の西武新宿線とは異なり、後に東京都に買収されて都電の杉並線となっていますが、1963年に廃止されて現存しません。

小田急が開業するのはこれに続く1927年で、5番目の路線として開業したことになります。
新宿駅に乗り入れる私鉄が路線の姿を変えていく中、小田急は開業時から基本的な位置等が変わっておらず、歴史的な変化が少ないといえそうですね。

おわりに

駅の姿は変わりつつも、路線の起点としての役割は変化しなかった小田急の新宿駅。
軌道をルーツとする私鉄が多い中で、小田急はやはり特殊な存在だったのでしょう。