新しいロマンスカーが登場する度に、ほぼ欠かすことなくブルーリボン賞を受賞している小田急。
鉄道友の会が1958年に制定し、第1回目の受賞車両として3000形(SE)が選定されて以降、ロマンスカーはブルーリボン賞の常連となりました。

小田急では、ロマンスカーでのみブルーリボン賞を受賞していますが、グループ会社にも選ばれた車両が存在します。
1980年代においては、素晴らしい成果も残していました。

ロマンスカーが常連のブルーリボン賞

第1回のSEから始まったブルーリボン賞は、第2回に国鉄の151系、第3回に近鉄の10100系と、歴史に名を刻む車両が選定されてきました。
SEを除き、第2回以降は鉄道友の会の会員による投票で選定されていますが、必ずしも1位が選ばれるわけではなく、少数ながら2位以下が選ばれたケースもあります。

過去に受賞した車両が最も多いのは、多くの特急型車両を輩出してきた近鉄の9回ですが、小田急もそれに続く8回となっており、ブルーリボン賞の常連です。
小田急は30000形(EXE)で受賞を逃していることから、それがなければ同点になっていました。

会員の投票によって選定されるという特性上、どうしても都市を走る車両が有利となりますが、それだけ小田急のロマンスカーにはファンが多いともいえます。
得票数では1位だったEXEが受賞を逃したのは残念ですが、当時は既存車両の延長線上でとらえられていたこともあり、アレルギー反応は相当なものだったのでしょう。

小田急グループにおける1980年代のブルーリボン賞

ブルーリボン賞を多く受賞してきたロマンスカーですが、1980年代の小田急グループにおいては、4回も受賞した経歴があります。
輸送力の増強等が一段落しつつあった1980年代は、車両の開発に力が入っていた時期のようにも思われ、その結果はブルーリボン賞として表れました。

20250308_03

まず、1980年の第23回においては、江ノ島電鉄(当時は江ノ島鎌倉観光)の1000形が受賞しています。
江ノ電の近代化に貢献した1000形は、その後に続く様々な車両の基礎にもなりました。
小田急のグループ会社とはいえ、大手ではない私鉄が受賞したことになり、意欲作だったことが伝わったのかもしれません。

20180701_07

翌年の1981年については、小田急の7000形(LSE)が受賞しました。
この車両については、今更説明するまでもないと思いますので、多くは触れないでおこうと思います。

20180922_06

小田急グループの受賞はさらに続き、1982年には小田急箱根(当時は箱根登山鉄道)の1000形が受賞しました。
1980年から数えて、小田急グループは3年連続での受賞となりますが、JRグループ以外で3回以上連続して受賞した企業グループはありません。

1980年代においては、1988年に10000形(HiSE)もブルーリボン賞に輝き、合計では4回の受賞となりました。
小田急グループが車両開発に力を入れ、次々に新型車両を登場させていた時期ならではといえそうですね。

おわりに

特急用の車両が選ばれる印象が強いブルーリボン賞ですが、1980年代には小田急グループの小型車両が2回も選ばれていました。
小田急箱根においては、3000形がローレル賞を受賞していますが、再びロマンスカー以外がブルーリボン賞に選定される日は訪れるのでしょうか。