全編成がリニューアルされながらも、施工から10年も経たずに多くが廃車となった5000形の6両編成。
近年の小田急においては、活躍期間自体もかなり短く、比較的短命に終わった車両といえます。

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そんな5000形の6両編成ですが、リニューアルの際には様々な仕様変更がありました。

リニューアルが行われた順番

登場から18年ほどが経過した1996年度から、5000形は6両編成のリニューアルが始まります。
4両編成の一部が完了していない状況でのスタートでしたが、後に全編成のリニューアルが完了しました。

6両編成のリニューアルは5255Fから始まり、2001年度の5266Fをもって完了しますが、施工の順番はどうなっていたのでしょうか。
以下はリニューアルの順番で編成を並べたもので、施行年度ごとに区切りました。

【1996年度】
・5255F
・5251F
・5254F

【1997年度】
・5256F
・5253F
・5259F
・5252F

【1998年度】
・5257F
・5258F
・5261F

【1999年度】
・5265F
・5260F
・5264F

【2000年度】
・5262F
・5263F
・5268F

【2001年度】
・5267F
・5269F
・5270F
・5266F

1996年度と1998年度には4両編成のリニューアルもあったため、施工されたのは3編成となっています。
回を重ねるごとにリニューアルの内容が増えたためか、1999年度以降は少しペースが落ちていました。

リニューアル時に発生した仕様変更

現在リニューアルが行われている3000形については、機器の交換や塗装部分の手入れ等が中心となっていますが、かつては車体や内装がメインの修繕箇所でした。
車体が普通鋼製であったことや、内装の耐久性が今よりも劣っていたためだと思いますが、5000形からは新車の水準に近付ける動きが出てきます。

リニューアルが始まった当初は、内外装の修繕が中心でした。
車体については、ドアの窓をHゴムから押さえ金式に変更するのが目新しく、従来とは異なる印象を受けたものです。
他には、小田原方の先頭車に車いすスペースが設置され、連結面側にあった座席が一部撤去されました。

1997年度の施工時には早速変化があり、補助電源装置のSIV化が行われます。
続く1998年度においては、5258Fから床の模様が変更されたほか、5258Fのみは交流スクロール式のCPを試用しました。

変化は毎年のようにあり、1999年度からはドアチャイムや転落防止用外幌の設置が行われるようになります。
ドアチャイムの音色は5000形のみで聞けたもので、他形式とは異なるものが採用されました。
5260F以降は荷棚が網からパイプに変更され、座席には握り棒が設置されるようになっています。

2000年度からは外見にも大きな変化があり、前照灯のシールドビーム化が行われました。
他には、滑走防止装置が追加されたほか、5263Fからは交流スクロール式のCPが本採用となっています。

2001年度においては、車いすスペースの位置が乗務員室寄りに変更され、5270Fからはシングルアームパンタグラフ化も行われました。
後に他の編成に波及した項目もありますが、リニューアルの過程で多くの仕様変更があり、回を重ねるごとに内容が充実していったことが分かりますね。

おわりに

5000形のリニューアルが終わると、8000形からはさらに大規模な内容へと進化していきました。
やりすぎた印象もありますが、それによって長寿命化されていることは間違いなく、西武に譲渡されるといった流れにも繋がっています。