現在は140両の勢力となり、見かける機会もかなり多くなった印象の小田急5000形。
コロナ禍が始まって間もない頃にデビューし、気付けば5年が経過しています。

5年も月日が流れると、色々なことが記憶から抜けていってしまいますが、5000形は登場から短期間だけ、LED表示器の文字が小さい時期がありました。

コロナ禍にデビューが重なった5000形

2019年度から導入が開始された5000形は、2019年の後半に車両メーカーから甲種輸送され、小田急線内に入ります。
到着後には各種調整や試運転が行われ、2020年に入ると日中にも本格的に本線上を走るようになりました。

5000形の試運転が本格化する頃、世界では新型コロナ感染症が騒がれ始めており、横浜に入港したクルーズ船で集団感染が発生した頃には、日本も他人事ではなくなっていったように思います。
私自身も、試運転の撮影をする過程において、後半はマスクをするといった自衛を始めていた記憶があります。

4000形以来、通勤型としては久々の新型となる5000形には、小田急もそれなりに力を入れていたようで、デビュー前には試乗会も予定されていました。
しかし、3月には感染者数が大きく増え始めており、感染拡大を防ぐために試乗会は中止となります。
世の中が大混乱に陥る中、3月26日に5000形はデビューしました。

短期間だけ見られた文字が小さいLED表示器

不要不急の外出はやめようという空気の中で5000形はデビューし、静かに他の車両と混ざって走るようになります。
まだ分からないことも多かったため、精力的に活動しようという気持ちにはならず、デビューから間もない頃の5000形は1回撮っただけでした。

緊急事態宣言が解除されたことにより、6月からは5000形を撮影する機会が増えていきます。
デビューからしばらくの間、5000形はLED表示器の文字が小さく、バランスが悪いといった声が多かったことを思い出します。

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まだ文字が小さかった頃の5051Fはこのような姿で、確かにバランスが悪いようには感じます。
8月1日には5052Fも営業運転を開始し、文字が小さい状態の5000形は2編成となりました。

5000形が2本体制となる頃には、既に5053Fが到着している状況で、8月6日には日中の試運転が始まります。
この時点で5053FのLED表示器は文字が大きくなっており、後の変更は暗に確定していたといえるかもしれません。

8月20日に5053Fが営業運転を開始すると、従来の2本に対しても文字を大きくする対応が行われ、8月の終わりに5052Fが、9月の前半には5051Fが変更されています。
こうして小さい文字の状態は見納めとなり、短期間だけの貴重な姿となりました。

おわりに

文字のサイズが変わった当時、いつかこの記事を書くのだろうなと思いつつ、変更を眺めていた記憶があります。
もう5年も経ったのかと思いながら、今も書き続けている自分にも少し驚きました。