優等列車が発車し、朝から晩まで電車が途切れない新宿駅の地上ホーム。
小田急の象徴でもあるロマンスカーは主に2番ホームを使用し、快速急行と急行は4番ホームと5番ホームを使っています。

全ての列車ではありませんが、快速急行は多くが5番ホーム、急行は4番ホームに振り分けられていますが、それはなぜなのでしょうか。

偏りがある快速急行と急行が発車するホーム

準急系の列車は顔を出さなくなりましたが、新宿駅の地上ホームからは多くの優等列車が発車しています。
主役はやはりロマンスカーですが、庶民の強い味方である快速急行を中心に、急行も多く設定されている状況です。

時間帯によっても異なりますが、快速急行は5番ホームから、急行は4番ホームから発車する、そんな風にイメージする方が多いのではないでしょうか。
実際にそうなっている時間帯は多く、帰宅ラッシュ時ともなれば、次々に快速急行と急行が発車していくダイヤが組まれています。

20250418_08

ホームにある発車案内を見ると、快速急行と急行が交互に発車していくことが分かります。
一部の急行が千代田線との直通列車に変わったため、日中はここまで交互にはなりませんが、快速急行が中心のダイヤになって以降は、新宿駅における基本パターンとなりました。

多くの時間帯ではこのような発車パターンとなっていますが、朝や深夜の時間帯には、この関係が逆になることもあります。
使い慣れていない時間帯においては、誤って違う列車種別に乗ってしまう利用者もいそうですね。

発車するホームに偏りが生まれる理由

快速急行を5番ホーム、急行を4番ホームに振ることには、列車の発車順序が関係しています。
先ほどの発車案内でも分かるとおり、急行は快速急行を追うように発車しており、1分後に出るようなタイミングもあります。

これだけだとイメージがしにくいため、実際にどのように列車が動いているのかを確認してみましょう。
まず、5番ホームから快速急行が発車しますが、配線の関係でポイントを渡り、上り線から下り線へと入ります。
続いて4番ホームからは急行が発車しますが、こちらは最初から下り線へと入ることが可能です。

発車だけで見るとこれだけですが、実際には次の列車の入線が絡んできます。
5番ホームから快速急行が出ると、すぐに次の折り返し列車が入線しますが、急行は4番ホームから発車するため、相互に支障せずに走れるのです。
急行が出た後には、4番ホームに次の折り返し列車が入るようになっており、続行で列車を出す状況を上手くさばいています。

これが逆だった場合には、発車と到着が複雑に絡んでしまい、少しの遅延でも大きくダイヤが乱れてしまうことでしょう。
快速急行が4番ホームから出発するタイミング等を見ると、極端な続行運転にはなっていないことが分かり、上手く考えられているようですね。

おわりに

きちんとした理由があり、発車するホームが合理的に分かれている新宿駅。
以前はロマンスカーが中央の線路に入ることも多くありましたが、快速急行と急行で埋まってしまうダイヤになったため、ほとんど見られなくなってしまいました。