業界誌等において、江ノ電が新型車両の導入を計画していることが判明していましたが、4月24日に正式な発表がありました。
形式は700形で、500形が登場してから20年ぶりの新車となり、1000形に代わる次世代を担う車両と位置付けられます。

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新型車両が登場するということは、置き換えられる車両が気になるところですが、対象はどうなると考えられるのでしょうか。

700形の登場と置き換え対象車両

多種多様な車両が活躍する江ノ電において、2026年度に新たな仲間が加わります。
形式は700形とされ、2006年にデビューした2代目の500形と同様に3桁の番号ですが、江ノ電において700形を名乗る車両は初の登場です。



詳しい内容については、既に各メディアで伝えられていますが、省エネ性能を高めた眺望のよい車両となります。
車内のインテリアはテーマカラーを3種類用意し、編成ごとに異なるものが採用されるようです。

座席配置も特徴的で、ロングシートと向かい合わせのボックスシートを組み合わせています。
海側の景色を見やすい配置としたものですが、収容スペースが若干広がることから、混雑の緩和にも寄与するものとみられます。

プレスリリースにおいては、1000形に代わる次世代を担う車両とされており、同形式を置き換えることが示唆されました。
1000形には吊り掛け駆動方式の車両があり、運行開始から50年が迫りつつあることから、置き換え自体には何ら違和感はないといえるでしょう。

単純ではない車両の置き換え

700形の登場により、いよいよ1000形に廃車が発生しそうな気配となってきましたが、江ノ電には300形の305Fという最古参の車両が在籍します。
アイコン的な存在にもなっているため、江ノ電にとっても大切な車両であることは間違いありませんが、車齢は既に60年を超えていることから、必ずしも安泰とはいえないでしょう。

プレスリリースについては、全体的に明言しない書き方となっており、置き換え対象の車両を特定することはできません。
一方で、インテリアのテーマカラーが3種類となっているため、最低でも3編成は登場することになりそうで、吊り掛け駆動方式の車両が現役であることを踏まえると、1000形に廃車が発生することは避けられないとみられます。



カナロコの記事によると、導入計画は1編成で、その後の計画は未定ということですが、断続的にでも増備が行われるとみて間違いないでしょう。
300形については、置き換え対象か決まっていないとされていますが、逆説的には置き換えないとは言っていないということにもなります。

ほぼ確実に1000形は置き換え対象となりますが、プレスリリースではそれを読み取りにくい表現としていることは気になりました。
というのも、1000形にフォーカスを当てることで、あえて300形から目線を外させているようにも感じられるのです。
300形はカルダン駆動化されているため、1000形のほうが先に廃車となる可能性はありますが、そう遠くない将来に置き換えられることを念頭に置き、今から活動したほうがよいかもしれませんね。

おわりに

近年は車両の陣容に変化がなかった江ノ電ですが、いよいよ動きが活発になってきそうです。
全国的にも珍しくなった吊り掛け駆動方式の車両には、カウントダウンの時が迫りつつあります。