新宿駅から40km以上も離れていながら、著しい発展が続く海老名駅。
小田急の海老名検車区やロマンスカーミュージアムがあり、車両ファンにとっては聖地のような場所となっています。

そんな海老名には、非公開ながら保存されている車両があり、海老名検車区内にある保存庫の中に収められています。
もったいなくも感じるこれらの車両は、将来的に活用される日が訪れるのでしょうか。

海老名検車区内に保存される3両の通勤型車両

ロマンスカーミュージアムがオープンしたことで、小田急における保存車両のメッカとなった海老名ですが、非公開の車両も残されています。
海老名検車区内の片隅に、3000形(SE)を入れていた保存庫がありますが、現在はそこに通勤型車両が収められており、空いた場所が上手く活用されました。

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写真の左奥に見えるのが保存庫で、出し入れをする時以外は線路が繋がっていないため、車両が出入りすることは基本的にありません。
換気のためか、扉を開けている時があり、運がよければ中の車両を見ることができます。

中に保存されているのは、2200形のデハ2201、2600形のクハ2670、9000形のデハ9001の3両です。
以前は喜多見検車区内に保存されていましたが、SEがロマンスカーミュージアムに入ったことで、空いた場所に収められた経緯となっています。
この時に2200形のデハ2202が解体されてしまいましたが、保存庫の大きさも判断に影響したと思われ、残念な結果ではありました。

3両の活用方法を考える

保存庫に収められて以降、これらの3両はほとんど公開される機会がない状態が続いています。
何度かイベントでの公開がありましたが、保存庫内が狭いこと等もあってか、積極的な活用はされていません。

集客力という面で、通勤型車両はロマンスカーに勝てませんが、せっかく残しておきながら、常に保存庫の中という状態はさすがにもったいなく感じています。
ロマンスカーミュージアムが、車両の出し入れをできる構造になっていればという思いもありますが、何か活用方法はないのでしょうか。

小田急は伊勢原に総合車両所の移転を行うと明らかにしていますが、その際に海老名検車区が縮小される可能性もあり、用地の面では何らかの動きが今後あるかもしれません。
将来的にロマンスカーミュージアムを拡張するようなことがあれば、その時が3両にとってはチャンスということになりますが、採算性の面ではさすがに厳しいように思います。

そんな前提を踏まえて私が考える活用方法は、商業施設を建設し、その呼び水として活用できないかというものです。
京王れーるランドのように、屋外に屋根だけを設けて並べれば、家族連れにとって楽しい場所になるでしょう。
流れでロマンスカーミュージアムに呼び込むことも可能であり、一石二鳥を狙うこともできそうに思います。

いずれにしても、保存庫の中で眠り続けるのは寂しく、何かしらの活用方法はないものでしょうか。
現状ではお金を生むこともないので、稼げる車両になる日が訪れることを、小田急ファンとして願っています。

おわりに

3両が保存庫に入ってから、早くも5年以上が経過しました。
どれも小田急にとって歴史的な車両であり、また近くで見てみたいものです。