小田急の小田原線における終点であり、ロマンスカー以外のほぼ全ての列車が折り返す小田原駅。
2面3線のホーム配置となっており、外側の2線が箱根登山線と繋がっています。

駅構内が広くはない小田原駅ですが、合計3本の留置線が設けられており、車両が一時的に入線する光景が見られます。
これらの留置線は、どのように使われているのでしょうか。

小田原駅にある3本の留置線

多くの路線が乗り入れる小田原駅では、限られた敷地内に多くの設備が詰め込まれました。
ホーム自体は2面3線の配置ですが、中央の線路は小田急用と箱根登山電車用を途中で切ったような状態になっており、四つの乗車用ホームがある構成となっています。

工夫が目立つホームも魅力的ですが、それ以外に3本の留置線が設けられており、狭い敷地内に苦労して配置しているのが印象的です。
3本の留置線は同じ場所にはなく、一つは10番ホームの外側に隣接して配置されています。
ホームに入る手前のポイントで分岐しており、10両編成の入線が可能です。

20250506_02

残りの2本については、小田原駅を出た先に設置され、箱根登山電車の線路と並行しています。
7番ホームを出た先で2本に分かれ、有効長や配線の関係で入線するのは6両編成以下が中心ですが、10両編成も入ることが可能です。

留置線はどのように使われるのか

限られた本数の留置線ですが、どのように使われているのでしょうか。
ホームに隣接するものと、出た先にあるもので違いがあるため、そのあたりも含めて確認したいと思います。

まず、ホームに隣接する留置線ですが、こちらが活用される頻度はそこまで高くありません。
他の留置線とは異なり、小田原駅のホームで客扱いをすることができないため、非旅客列車の入線が基本となるためです。

定期で設定されているわけではありませんが、比較的多く見られるのは試運転の列車で、ホームに入線する必要がないことから、10両の折り返しが可能なこの留置線が大活躍します。
その他には、小田原駅で客扱いをしない臨時列車等も入線することがあり、地味ながらなくてはならない設備といえそうです。

ホームを出た先にある留置線は、小田原駅で折り返す列車や、切り離されたロマンスカーの4両編成等が使っています。
7番ホームに到着し、留置線で折り返して10番ホームに入るもので、引き上げ線としての役割といえるでしょう。
夜間留置にも活用されていますが、その関係で早朝に7番ホームから発車する新宿方面に向かう列車があり、趣味的には面白い存在となっています。

おわりに

配置に制約はありながら、多種多様な運用が見られる小田原駅の留置線。
起終点の駅は手狭になりがちですが、江ノ島線に比べればできることが多いといえそうですね。