2008年に制定され、現在は各所に掲出されている小田急のブランドマーク。
制定以前にもある程度統一されたロゴ等はありましたが、今ほどの規模では使用されていませんでした。

ブランドマークが使われ始めてから17年が経過し、昔のロゴを見ることはかなり少なくなりましたが、意外な場所に今も残っています。

町田駅に残る旧デザインのロゴ

ビルの中を線路が貫通し、ホームの途中から高架になる構造の町田駅ですが、今も旧デザインのロゴを見ることができます。
ブランドマークが使われる前の小田急を利用していた方であれば、一度はこのロゴを見たことがあるのではないでしょうか。

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古いロゴは高架橋の側壁部分にあり、全体に引かれた青いラインに馴染むよう配置されています。
青い平行四辺形に白抜き文字で小田急と書かれ、その右に駅名が配置されるのが定番のスタイルでした。

町田駅に残っている理由は定かではありませんが、今となっては貴重な存在となっています。
側壁を塗り替えるようなことがあれば、そのタイミングで消滅してしまう可能性も高いですが、これからも残ってほしい存在です。

各所で使われた旧デザインのロゴ

旧デザインのロゴの全盛期は、1990年代が該当すると思われます。
駅の出入口等には、町田駅の側壁と同じようなものが掲げられ、かなり見慣れた存在でした。

駅名を併記するような使い方だけではなく、平行四辺形の小田急と書かれた部分だけの使用や、四角形の中に青い文字で小田急と書かれたようなものもあり、デザインは複数のパターンが見られます。
同じタイプでも、よく見るとフォントが違っていたりと、現場判断で作られたようなものもあるのかもしれません。

ブランドマークの制定後、数を減らしていった旧デザインのロゴですが、そもそもいつ頃から使われ始めたのでしょうか。
昔の写真や書籍を確認する限りでは、1980年代の駅舎にはこのタイプのロゴが登場していますが、1970年代になると見られないように思います。

明確にこれというのは見つけられませんでしたが、1982年3月25日に発行されたコミュニケート小田急には、新宿駅の案内表示を統一するとのお知らせがあります。
シンボルカラーをブルーに決め、小田急の乗り場だと一目で分かるようにするといった記載があり、旧デザインのロゴが写真に写っていることから、この頃から登場した可能性が高そうです。

おわりに

ブランドマークが制定された2007年度は、開業から80周年という節目の年でした。
2027年度には100周年を迎える小田急において、ブランドマークの一新といったようなことがあるとすれば、このタイミングは少々怪しいかもしれませんね。