コロナ禍の2021年にオープンし、歴代の貴重な車両が展示されているロマンスカーミュージアム。
小田急版の鉄道博物館として海老名駅に造られ、鉄道ファンから子供まで、多くの方々が訪れる施設となりました。

そんなロマンスカーミュージアムですが、Googleで検索すると、「つまらない」という気になるワードがサジェストされます。
沢山の車両が展示されるロマンスカーミュージアムは、つまらない施設なのでしょうか。

試行錯誤が続いた印象の初期

オープンのタイミングが悪かった、そういった面はあったと思います。
ロマンスカーミュージアムのオープン日である2021年4月19日といえば、まだまだ世の中はコロナ禍で大騒ぎをしている時期であり、入館は予約制でのスタートでした。

当然といえば当然ですが、そんな世の中の状況もあって内容はおとなしめで、しばらくは粛々と営業する日々が続いたように思います。
予約制で人数を絞っていたこともあってか、空いていることも多かった印象で、私が初めて訪ねた時も人はまばらという状況でした。

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懐かしいロマンスカーとの再会に少し興奮しつつ、シャッターを切りながら館内を回りました。
ライティングのコントラストが強く、全体的に暗い場所が多いため、撮影にはそれなりに気を使った記憶があります。

全車両の写真を撮り終えた後は、しばらく館内を散策していましたが、車両とジオラマ以外にこれといった展示物がないこともあり、することがなくなってしまいました。
つまらないとまでは言いませんが、1回行けば満足してしまい、リピートする要素がないような気がする、それがオープン当初に感じた素直な感想です。

貴重な車両が数多く残り、それを見ることを楽しみにしていたわけですが、ただスタイリッシュに置いてあるだけだなと感じた面もありました。
全体的にお洒落にまとめられているため、一般的な鉄道の博物館とは少し印象が異なり、差別化を狙ったのかもしれません。

鉄道の博物館といえば、車両を置くだけではなく、活躍していた頃に合わせた周辺の作り込みや、資料的要素の展示等が行われていることが多いですが、そういったものは少なめでした。
意図的にそうしたというのは理解しましたが、2回目の訪問まで時間が空いてしまい、正直な反応をしてしまったように思います。

明らかに方針の変化を感じる最近

来館者の実態がどうなっていたのか、想定どおりだったのか、それとも異なっていたのか、そのあたりは全く分かりません。
しかし、オープンから2年が経過した2023年7月には、運営会社が変更されるという大きな変化がありました。

元々の運営会社はUDSで、ロマンスカーミュージアム自体の設計等も手がけています。
現在は野村不動産ホールディングスの子会社となっていますが、当時は小田急のグループ会社でした。
あえて鉄道の素人に任せたというのが、オープン時に広報されていたことを思い出します。

この方向性が成功だったのか失敗だったのか、それは見る角度によって異なる面もあり、簡単に論じることはできないでしょう。
事実だけを見れば、現在の運営会社は小田急エージェンシーに変わっており、運営方針もかなり変化したように感じています。
運営会社を変更した翌年にUDSの株式が譲渡されていることから、それに先立つ動きだったともいえますが、どこまで関連があるのかは不明です。

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運営会社の変更時には、併設のカフェもリニューアルされました。
ロゴからも分かるとおり、ビナキッチンという庶民的なお店に変わり、レトロな洋食を楽しむことができます。
運営方針が変更されたというのは、このあたりの変化からも感じ取れました。

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元々は塗られていなかった入口にある木のロマンスカーは、このような姿に変化しました。
経年劣化等があったのかもしれませんが、懐かしいあのカラーリングをまとったことになります。

運営会社が変わる頃から、他社とのコラボが頻繁に行われるようになり、鉄道が好きな人向けのイベントや展示の頻度が増加しました。
シミュレーターが増やされたのも、記憶に新しい部分です。
ロマンスカーミュージアムのお知らせを見ると、2023年頃から件数が増えており、それだけ取り組み多くなったということを示しています。

行く度に違う楽しみがあるように、来館者を飽きさせないための工夫をしている、最近のロマンスカーミュージアムはかなり頑張っているように思うのです。
つまらないとは言わせない、最近の運営からはそんな意気込みを感じ、実際に以前より混んでいるように思います。
小田急の博物館として、まだまだ進化していくことでしょう。

おわりに

検索で気になるワードを見たため、オープン当初から現在までの印象をまとめました。
つまらないというのは、オープン時であっても言いすぎだとは思いますが、今のロマンスカーミュージアムはかなり頑張っているため、以前よりもさらに楽しめる施設になっています。