どんな内容になるのか、毎年楽しみに待っている小田急の鉄道事業設備投資計画ですが、2025年度は5月13日の発表となりました。
予想外といった内容は含まれていませんでしたが、今後細かい部分をピックアップし、内容を深読みしていきたいと思います。

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早速ですが、まずは車両の増備に関して内容を読み解きます。
5000形の増備は1編成だけとなりますが、これは何を意味するのでしょうか。

2025年度も増備が続く5000形

2019年度に登場した5000形は、2025年度も増備が続くこととなりました。
登場から7年目となる2025年度は、10両編成を1本だけ投入する予定で、増備がなかった2023年度を除けば、2019年度以来の少なさとなります。

5000形は現在までに14編成が造られ、5051Fから5064Fまでの140両の陣容です。
全てが10両編成で、増備の過程で大きな仕様変更は行われていませんが、5063Fは線路設備モニタリング装置を搭載し、5064Fは搭載が可能な構造とされました。
順当に考えれば、2025年度の増備車は5065Fになると想定されますが、どういった仕様となりますでしょうか。

1編成だけの増備から考えられること

2025年度に5065Fが登場した段階で、5000形は150両に到達することになります。
3000形が異例の大量増備だったことを例外とすれば、5000形は小田急の標準的な両数となってきますが、近年の増備状況を前提にすれば、まだ少ないとは感じます。

150両に達すると見えてくるのが、増備を終了するといった展開です。
登場からの年数も経過したため、新形式に移行する展開は否定できませんが、4000形は10年間に渡って断続的に増備されたことから、可能性としては低いように思います。

増備のペースがゆるやかな理由は分かりませんが、5000形が登場した頃に比べれば、急いで置き換えなければいけない車両がない状況にはなっています。
一方で、あまり後ろ倒ししていくと、今度は一気に置き換える必要が生じるため、近年の動きはやや不可解ではあります。

気になることとしては、8000形の西武への譲渡との関連で、廃車にできる編成が少なくなるため、どうするのでしょうか。
今のペースが予定どおりなのかもしれませんが、譲渡の契約に特約等を設けて、小田急側の状況が変化した場合等に、時期を変えられるようにしてあった可能性もありそうです。

大穴としては、8000形の廃車自体は予定どおり行い、足りなくなる車両は借りるというパターンです。
JR東日本ではワンマン運転に対応しないE233系2000番台が余っており、小田急がリースで活用するという選択肢はあります。

色々と書きましたが、展開として最も可能性が高いのは、年度を跨いで増備が連続するパターンだとは思います。
5065Fが入線する時期にもよりますが、仮に年度末であった場合には、そのまま2026年度にかけて増備が続く可能性が高いでしょう。

おわりに

増備が続く5000形は、徐々にペースが落ちている状況となってきました。
2026年度の設備投資額が大きいようですが、どういった展開になっていくのでしょうかね。