全線に渡ってロングレール化され、騒音や振動が少ない路線となっている小田急。
乗車すると、レールの継ぎ目を通過する音はほとんどなく、鉄道が好きな身からすると少し物足りないと感じるほどです。

そんな小田急のロングレール化ですが、完了したのはいつのことだったのでしょうか。

ロングレール化のはじまり

小田急におけるロングレール化は、1970年に始まりました。
昭和で表現すると45年のことであり、先代の5000形が登場した翌年ということになります。

ロングレール化が始まる前はどうだったのかといえば、全てのレールに短い間隔で継ぎ目があり、電車はガタンゴトンという音を小刻みに奏でながら走っていました。
今も地方の路線に行けば普通のことですが、都市部を走るような路線でもそれが当たり前だったことになります。

最初にロングレール化が行われた区間は、向ヶ丘遊園駅から生田駅にかけてと、相模大野駅から小田急相模原駅にかけてでした。
この区間は直線が続いていることから、最初にロングレールを敷設するには最適だったのでしょう。

ロングレール化が始まった頃は、今よりも許容されるカーブの半径が大きく、600m以上が対象だったようです。
年を追うごとにロングレール化は進み、ジョイント音を奏でる区間は年々減っていくこととなります。

全線がロングレール化された日

3路線がある小田急ですが、最も新しい多摩線については、開業時から全区間でロングレールを採用しました。
1974年の開業であり、当然といえばそうなのですが、周辺に何もないような場所を滑るように電車が走っていたことになります。
しかし、新百合ヶ丘駅から五月台駅手前のカーブを抜けるまでは例外で、リズミカルにジョイント音を奏でていました。

ロングレール化は、小田原線と江ノ島線で進められていきますが、先に完了したのは小田原線です。
完了は1996年度のことで、11月26日には渋沢駅から新松田駅間の上り線において、レールの締結式も行われました。

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江ノ島線については、2000年度にロングレール化が完了し、全線での敷設が完了しました。
一方で、技術の進歩により急曲線部にもロングレールが採用できるようになり、敷設可能な区間は広がっていきます。
近年までロングレール化された区間は増え続け、小田急はジョイント音がほとんど聞こえてこない路線となりました。

おわりに

現代においても、曲線が連続する区間等はロングレール化されていませんが、小田急の中ではかなり限られています。
大手であっても小田急ほどではないケースも多く、トップクラスのロングレール化率といえそうですね。