小田原駅から強羅駅を結びつつも、箱根湯本駅を境に運転系統を分離している箱根登山線。
比較的勾配等がゆるやかな小田原駅から箱根湯本駅間は、小田急の延長区間のようになっており、線内の折り返し運転には1000形が使用されています。

6.1kmの区間内を行ったり来たりする1000形ですが、2026年3月からはワンマン運転が行われる予定です。
箱根登山線内で始まるワンマン運転は、どのようなものになるのでしょうか。

2026年3月から始まるワンマン運転

厳密には小田急の線内ではありませんが、初のワンマン運転が2026年3月から始まる予定です。
回送列車では既に行われていることから、あえて正確に表現するのであれば、営業列車によるワンマン運転の開始でしょうか。

開始時期が3月であることから、ダイヤ改正に合わせてワンマン運転が始まるものと思われます。
小田急線内と直通運転をする各駅停車は、現在も一部の列車で見ることができますが、回送であれば小田急線内もワンマン運転ができることから、次回のダイヤ改正で小田急線内は回送化されるかもしれません。

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車両側の準備は既に進んでおり、箱根登山線内用の1000形で改造が行われています。
ワンマン運転に対応した編成はこのような姿となり、電気連結器の撤去によりスカートの形状が変わったため、かなり印象が異なる姿となりました。
側面にはカメラが追加され、前から見ても出っ張りが目立つことが分かります。

一つ気になる点として、以前は2025年度からワンマン運転の試験運用を始める、そのような表現だったのに対して、直近では試験という表現を用いなくなりました。
本運用としてのものになると思われますが、それだけ要員の確保が厳しくなっているという現実があるのかもしれません。

ワンマン運転はどのように行われるのか

開始まで1年を切っているワンマン運転ですが、どのように行われるのでしょうか。
既に改造が済んでいる車両があるため、開始時期から逆算した場合、そう遠くないうちに試運転や習熟運転が始まることになりそうです。

箱根登山線内は、小田急と小田急箱根の両運転士が乗務しますが、ワンマン化後もそれはおそらく変わらないものと思われます。
要員不足といった背景があることから、両社で助け合いつつ運行するスタイルが続き、両社の乗務員が習熟運転を行うものとみられます。

習熟運転の方法についても気になる部分です。
単線でダイヤに余裕がない路線ですが、習熟運転用に別の列車を走らせるのか、それとも車掌を乗せて営業列車で行うのか、どちらとなりますでしょうか。

ワンマン運転自体については、機械に頼れるところは頼りつつ、車掌が行っていた業務も運転士が引き受けることとなります。
1000形には既に自動放送装置がありますが、それらを引き続き活用しつつ、必要があれば運転士がアナウンスをするのでしょう。

ドアの開閉については、他社の路線でも見られるように、車両の側面に設置したカメラを使用し、映像を運転台上部のモニターに映す方式となります。
各車両にカメラが設けられ、鮮明に映るものとのことなので、考え方によっては目視より安全性が高まるともいえそうです。

箱根登山線内のワンマン運転については、小田急と直通運転を行うロマンスカーは対象外となります。
途中駅には停車しませんが、設備を整えて箱根登山線内だけをワンマン運転にするメリットもないため、そのままなのでしょう。
特急列車という性格上も、細かい案内が必要になることから、今後もツーマンでの運転が維持されそうですね。

おわりに

他社と同様の流れで、小田急もいよいよワンマン化の流れが本格的に始まります。
車掌という役割は変化し、将来的には特急列車に乗務する役割が中心になっていくのかもしれませんね。