郊外の利用者が増加し、各駅停車に8両や10両を走らせるようになった小田急は、優等列車を中心としたダイヤを組むようになりました。
昔は各駅停車を多く走らせていましたが、そんな時代は遠い記憶となりつつあります。

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昔のダイヤは実際にどんなものだったのか、約40年前となる1983年の時刻表を開きつつ、確認してみたいと思います。

各駅停車が多い平日の下り列車

ある程度パターン化されているとはいえ、時間帯によって運行される列車は異なります。
情報は偏りますが、今回は平日の13時台をピックアップし、当時の様子を見てみることにしました。

早速ですが、下り列車から確認していくことにしましょう。
以下は平日の13時台に新宿駅を出発する列車の一覧で、括弧内は行先を示します。

13時0分:特急はこね23号(箱根湯本)
13時1分:急行(箱根湯本・片瀬江ノ島)
13時2分:各駅停車(向ヶ丘遊園)
13時6分:各駅停車(向ヶ丘遊園)
13時10分:特急さがみ9号(小田原)
13時11分:●急行(小田原・相模大野)
13時12分:各駅停車(本厚木)
13時16分:各駅停車(向ヶ丘遊園)
13時20分:急行(小田原・相模大野) ※不定期
13時21分:準急(本厚木)
13時25分:各駅停車(本厚木)
13時30分:特急はこね25号(箱根湯本)
13時31分:急行(箱根湯本・片瀬江ノ島)
13時32分:各駅停車(向ヶ丘遊園)
13時36分:各駅停車(向ヶ丘遊園)
13時41分:●急行(小田原・相模大野) ※後ろの4両は相模大野から各駅停車藤沢行き
13時42分:各駅停車(本厚木)
13時46分:各駅停車(向ヶ丘遊園)
13時50分:急行(小田原・相模大野) ※後ろの4両は相模大野から各駅停車藤沢行き
13時51分:準急(本厚木)
13時55分:各駅停車(藤沢)

結果はこのようになっており、現代とはあまりにも違うダイヤでした。
各駅停車は1時間に10本も設定されていますが、向ヶ丘遊園行きが連続しているタイミングがあり、新宿寄りの区間における利便性を確保した設定になっています。

急行については、1時間に4本というのが基本となっており、土曜日にのみ運行される列車がありました。
13時台は50分に通常の急行が設定されていますが、他の時間帯だとこれも不定期だったり、設定自体がありません。

現在の6両急行に近い存在として、●急行という列車があり、新松田駅から小田原駅までを各駅に停まる列車でした。
相模大野駅で分割することが基本となり、江ノ島線内は各駅停車に化ける列車もあります。
急行が少ない代わりに準急が設定され、向ヶ丘遊園駅までの速達性を高める役割を担っていました。

始発駅が面白い平日の上り列車

続いて、新宿駅に到着する上り列車を見ていきたいと思います。
始発駅を基準にすると傾向がなくなるため、13時台に新宿に到着する列車としました。

以下は平日の13時台に新宿駅に到着する列車の一覧で、括弧内は始発駅を示します。

13時2分:各駅停車(本厚木)
13時4分:準急(海老名)
13時5分:●急行(小田原・片瀬江ノ島)
13時9分:各駅停車(経堂)
13時10分:特急はこね12号(箱根湯本)
13時14分:各駅停車(小田原)
13時15分:急行(相模大野) ※不定期
13時19分:各駅停車(向ヶ丘遊園)
13時23分:急行(箱根湯本・相模大野) ※前の4両は藤沢からの各駅停車相模大野行き
13時27分:各駅停車(向ヶ丘遊園)
13時31分:準急(相模大野)
13時34分:各駅停車(経堂)
13時36分:●急行(小田原・片瀬江ノ島)
13時39分:各駅停車(向ヶ丘遊園)
13時40分:特急はこね14号(箱根湯本)
13時43分:各駅停車(本厚木)
13時44分:急行(相模大野) ※不定期
13時49分:各駅停車(向ヶ丘遊園)
13時53分:急行(箱根湯本・相模大野) ※前の4両は藤沢からの各駅停車相模大野行き
13時57分:各駅停車(向ヶ丘遊園)

到着列車については、始発駅が様々というのが面白い結果となりました。
経堂始発の各駅停車や、相模大野始発の準急があり、入出庫が絡んでいたことをうかがわせます。

急行については、不定期列車を除いて相模大野駅での併合が基本で、江ノ島線からの列車に小田原線の列車を繋いでいました。
各駅停車が急行に化ける列車もあり、下りとは逆のパターンとなっています。

おわりに

快速急行が走り回る現代とは異なり、停車駅が多い優等列車を加えつつ、各駅停車を中心としたダイヤを組んでいた約40年前の小田急。
反面、特急の停車駅は今よりも圧倒的に少なく、全く別の走りを見せていました。