世代交代を繰り返し、今日までの長い歴史を築き上げてきた小田急のロマンスカー。
新型車両の登場は嬉しい反面、それは引退する車両があることも意味し、表裏一体の関係にあるといえます。

20210828_03

現在までに様々なロマンスカーが登場してきましたが、共演する期間が短かった車両について、振り返ってみたいと思います。

置き換えられる関係にあった車両

小田急ロマンスカーの歴史は、1949年に登場した1910形から始まりました。
現在のような流線形ではなく、1900形を2扉のセミクロスシートにした車両でしたが、戦後の復興期に明るい話題を提供することとなります。

その後、いくつかの形式が造られ、1957年に3000形(SE)が登場しました。
ロマンスカーのイメージを決定付けた車両ですが、今回はSE以降の各形式について、共演期間の短さを確認したいと思います。

まず、SEを置き換えた20000形(RSE)との共演ですが、ダイヤ改正に合わせて交代したため、定期運行では見ることができませんでした。
定期運行から外された後もSEは波動用として残ったため、1年程度は在籍期間が重なっていますが、現実的にはほとんど共演する機会はなかったといえるでしょう。

3100形(NSE)と30000形(EXE)については、3年程度の共演期間がありました。
編成数が多かったため、一気に置き換えを進めながらも時間がかかり、3年という長さになりました。
ゆめ70になった編成だけは、NSEの定期運行終了後も予備車に近い存在として残り、これを含めれば4年程度の共演期間です。

同じ4年としては、10000形(HiSE)とRSEの2形式が、60000形(MSE)と共演した期間にも当てはまります。
2012年にHiSEとRSEの残存編成が一気に引退したため、結果的に共演期間が同じとなりました。

近年の事例としては、7000形(LSE)と70000形(GSE)の事例があげられます。
GSEの第2編成が少し遅れて登場したこともあり、直接置き換える関係だったにもかかわらず、定期運行での共演が見られました。
その期間は、定期運行で4ヶ月、波動用の時期を含めても7ヶ月ほどで、近年においては短いケースとなっています。

意外と共演期間が短かった車両

ここからは、直接置き換える関係ではなかったものの、結果的に共演期間が短かった車両を見ていきたいと思います。
新形式の登場が続いたり、引退が続いた場合に生じる現象です。

まず、SEとHiSEのケースですが、こちらは3年程度しか共演がありませんでした。
波動用の期間を含めても4年程度で、意外に短かったことになります。
SEはあさぎり号での運行が基本だったため、小田急線内で顔を合わせる機会も多くはなかったことでしょう。

記憶に新しいところでは、50000形(VSE)とGSEの共演でしょうか。
こちらも定期運行では4年程度しか共演がなく、想定外に短いものとなりました。
波動用の時期を含めると、5年半程度にはなりますが、LSEが引退した際には予想もできない結果だったといえそうです。

おわりに

共演期間が短くなる理由は様々ですが、3年から4年というケースが多いようです。
今後登場する新型ロマンスカーにおいては、どれぐらいの共演期間が見られるのでしょうね。