大手私鉄として、東京都やその周辺地域に地下鉄網を広げている東京メトロ。
元々は帝都高速度交通営団という特殊法人で、営団地下鉄と呼ばれて親しまれていましたが、2004年に民営化されたことで、東京地下鉄(愛称は東京メトロ)が誕生しました。

2024年に株式を上場し、営団地下鉄だった時代はどんどん遠くなっていますが、小田急百貨店新宿店本館の跡地において、懐かしのSマークが出現しています。

営団地下鉄とSマーク

掲げたことがある車両さえ、現代においてはほとんど残っていない状況ですが、営団地下鉄の時代にはSマークというものが使われていました。
車両の前面に掲げられているのが定番の姿で、営団地下鉄を象徴するマークだったように思います。

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小田急に乗り入れていた6000系も、貫通扉の部分にSマークが掲げられていました。
現在使われているハートMマークと同じような扱いで、施設等でも多くの場所で見ることができたものです。



営団地下鉄が東京メトロとなる際には、短期間で一斉にマークの変更準備が行われ、民営化後は現在も使われるハートMマークに統一されました。
一方で、物理的に変更ができないものもあり、床等を見ていると思わぬ場所に残っていたりするようです。

幻となったSマークが出現中

最近はなかなか見る機会がなかったSマークですが、大都会の新宿駅という場所において、少し前から見ることができるようになっています。
小田急百貨店新宿店本館の解体に関連し、東京メトロのサイン類が撤去されたことで、過去に使われていた際の跡が表に出てきたものです。

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現地の様子はこのようになっており、右側にある出入口の部分において、Sマークの跡が見られます。
完全ではありませんが、地下鉄やSUBWAYと思われる表記の跡も見られる状態です。



昔の様子については、メトロアーカイブアルバムで見ることができます。
1967年に撮影された写真が見られますが、そんな昔の跡が2025年になっても残っていたのは、やや驚くところでもありますね。

おわりに

多くの人々が行き交う場所において、久々に表へと出てきたSマークの跡。
最終的にはなくなってしまうものと思われますが、いつまで見ることができるのでしょうか。