小田急の現行ダイヤでは、快速急行を中心としつつ、急行が補完するように優等列車が走っています。
停車駅が少なく、所要時間が短い快速急行に利用者が集中する傾向があり、近年における課題の一つといえるでしょう。

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所要時間の差は、新宿駅から新百合ヶ丘駅間において生じますが、到着時間ではどれぐらい変わってくるのでしょうか。

下り列車における到着時間の差

小田急の起点である新宿駅からは、1日を通して多くの列車が出発していきます。
基本的なパターンとしては、特急、快速急行、急行、各駅停車の順になっており、上位の列車種別を追うように、下位の列車種別がホームから出ていくのが定番の流れです。

特急や各駅停車は性格が異なりますが、利用するうえで迷うケースが多いのは、快速急行と急行のどちらに乗るべきかではないでしょうか。
列車の行先に左右されないこともあり、登戸駅や新百合ヶ丘駅に向かう場合には、早く着く分混んでいる快速急行か、時間はかかるも空いている急行に乗るか、悩ましい部分といえます。

体感としては急行がかなり遅いように感じますが、実際のところはどうなっているのかが分からないため、所要時間にどれぐらいの差が生じるのかを調べてみることにします。
快速急行が出発した後だと、自動的に急行に乗ることが決まってしまうことから、快速急行で新百合ヶ丘駅まで行った場合の所要時間と、快速急行の出発時間と急行の到着時間における所要時間を比較し、後続の急行だとどれぐらい到着が遅くなるのかを確認してみました。

結果については、時間帯によって差はあるものの、概ね7分から9分程度は急行が遅く着きます。
数分しか差がないようなケースもありましたが、これは快速急行の表定速度が遅いパターンで、急行に乗らないと損といったものでした。
日中のほうが所要時間がかかる傾向があり、急行が向ヶ丘遊園で特急の通過待ちをする分、遅くなっているようです。

上り列車における到着時間の差

大きな差はないだろうと思いつつ、上り列車についても確認をしてみました。
上り列車は新百合ヶ丘駅で急急接続を行うため、下り列車と条件面ではほぼ同じとなっています。

下り列車の調査と同様に、出発時間は快速急行を基準として、到着時間だけをそれぞれにして所要時間の差を見てみると、日中は9分が基本となっていました。
所要時間の差はありませんでしたが、向ヶ丘遊園まで各駅停車の続行となっているためか、上り列車のほうが表定速度は少しだけ遅くなっています。

日中以外の時間についても、所要時間の差が縮まるという点で、下り列車と同じ傾向でした。
遅い時間ほど列車密度が下がるためか、所要時間そのものが短くなるようですね。

おわりに

どちらに乗るべきか、悩ましい存在である快速急行と急行。
乗車率という面では、快速急行をもう少し増やしたいところですが、10分単位でダイヤを組んでいる現状では、難しいところなのでしょうね。