小田急の通勤型車両には、車内に「停車駅のご案内」と書かれた路線図が掲出されています。
ダイヤ改正等で停車駅に変化があった場合等は、交換されて最新の状態が保たれており、異なるものがそのままとなることはありません。

近年は停車駅の変化が多く、その度に路線図を交換している小田急ですが、以前は変更部分にのみシールを貼るといった対応で、簡易的に修正していた時期がありました。
いつの日か、少しの変更でも完全に交換するようになっていますが、なぜそうなったのでしょうか。

路線図の交換が頻発する近年

優等列車の停車駅が少しずつ変化し、近年はダイヤ改正の度に路線図を交換しなければいけない状態が続いています。
デザインは踏襲されているため、利用者の目線では交換されていることにさえ気付かないレベルですが、よく見ると最新の内容が常に維持されている状態です。

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2025年の春に行われたダイヤ改正においても、準急や急行の停車駅追加に対応しているほか、開成駅に停まるようになった快速急行も反映されています。
頻繁に交換されつつも、デザインは大きく変わらないことが多いため、いったいどれぐらいのバージョンが存在しているのか、最近は分からなくなってきました。

路線図を交換するようになった理由を考える

最新の状態が保たれている路線図ですが、毎回新しいものに交換するのは、少々もったいないようにも感じますし、その分コストがかかるようにも思います。
1990年代の後半から2000年代の前半にかけては、修正部分にのみシールを貼って済ませる対応が行われていましたが、いつの間にか新品への交換が基本となりました。

近年の路線図は使用期間が短く、少々もったいないようにも感じますが、なぜ運用が変化したのでしょうか。
一つ気付いた点としては、交換されるようになった時期において、TRAINSが開店する等、定常的に廃品の路線図を売るようになった印象があります。
使い込んで汚くなったり、修正にシールを貼っているものよりは、綺麗な状態のまま売り物としてしまったほうが、売りやすいというのはありえそうです。

シールを貼るという対応における、人件費や作業工数も気になるところです。
複数の修正が発生する場合、その分シールを何枚も貼る必要がありますが、綺麗に貼らなければいけないということも含めて、交換してしまったほうが圧倒的に作業は早そうに思います。
人件費も上昇していることを踏まえれば、毎回交換して売却するほうが、安上がりというのはあるかもしれません。

技術の進歩により、修正後のデザインを作成するのが簡単になった影響もありそうです。
停車駅の追加程度であれば、その部分を修正するぐらいの対応で済むため、サイズを合わせたシールを作るより楽なのかもしれませんね。

おわりに

頻繁に路線図に変更が発生し、その度に新品への交換が行われている小田急。
一方で、廃品として路線図が販売される機会も多くなり、鉄道好きにとっては嬉しい面もあるように思います。