全346両が在籍し、小田急において圧倒的な両数を誇る3000形。
短期間で大量に増備された割には、途中で多種多様な仕様変更が行われ、バリエーションが豊富な形式となっています。

そんな3000形の中で、2023年の後半から1次車の冷房装置に変化が生じています。
編成中の一部だけが交換されるという怪現象で、断続的に最近も続いているようです。

一部の冷房装置だけが交換される初期車

大所帯の3000形の中で、初期に登場した8編成にのみ見られるのが、搭載する冷房装置の違いです。
該当する編成は3251Fから3258Fとなっており、CU-705を屋根上に搭載しています。

CU-705は、冷房能力が42,000kcal/hの集中式で、長年に渡って集約分散式を採用してきた小田急において、集中式は初採用となりました。
3259F以降の編成についてはCU-709を採用し、3次車以降はCU-710となりましたが、いずれも冷房能力は50,000kcal/hで、TIOSへの対応有無が違いとなっています。

3258Fまでの編成に採用されたC-705は、冷房能力以外に外見も異なっており、小さな違いながら識別が可能でした。
登場から近年まで、この違いは編成単位で普遍的なものでしたが、2023年の後半から変化が生じています。

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写真は2024年に撮影した3252Fですが、よく見ると手前と後ろの車両で冷房装置の形態が異なることが分かります。
手前は元々搭載するCU-705なのに対して、後ろはCU-709以降の形態です。

冷房装置の外見はとても似ているため、意識しなければ気付くことさえありませんが、よく見ると明らかに違っていることが分かります。
実際に搭載されている冷房装置がどんなものかは不明ですが、登場時のものから交換されたことは間違いないといえるでしょう。

断続的に進む冷房装置の交換

3000形の初期車で発生した冷房装置の交換ですが、その時期を完全に特定するのは困難を極めます。
その理由として、過去の写真等を参考に見てみたところ、同一編成内でも断続的に進んでいたりするため、時期によって状況が違っているのです。

2023年の10月から11月にかけて、3251Fの冷房装置が一気に交換されました。
6両を一気に交換しているため、時期の特定は比較的容易といえるでしょう。

ややこしい事象が発生しているのは、3252Fと3253Fの2編成で、一部の車両だけが交換されるという状況になっています。
しかし、時間が経つと交換された車両が増えており、3252Fは全車両が交換済に、3253Fも残るは1両となりました。

一部の例外を除き、新宿寄りの車両から進められる傾向があり、最終的には6両全車が交換済となるようです。
この傾向が続くようであれば、やがて3253Fも交換が完了し、3254Fに進むことが予想されます。

怪現象ともいえる断続的な交換ですが、対象となった車両は既に車齢が20年以上に達しており、交換自体は不思議なことではありません。
考えられるのは、一斉に交換せずにコストを抑えているということですが、ここに小田急らしさが見えるように思います。

断続的な交換において、新宿寄りの車両からとなっているのがヒントのように感じており、仮に3258F等で交換が必要となった場合に、3252F等から使える冷房装置を外し、入れ替えている可能性が高そうです。
小田急は編成内にランダムで混在するような状況は避ける傾向があり、極力集めるようにしつつ、かつ若い番号の車両からとしている意図が汲み取れます。
3251Fだけは一気に交換したようですが、これは外した冷房装置の中から、状態がよいものを予備品としたのかもしれませんね。

おわりに

リニューアルの対象からは外れたとみられる初期車ですが、最近は一部の機器を交換する動きが目立ちます。
全編成に波及しないことも多く、予備品を確保しつつ、最低限の交換をしているということなのでしょう。