小田急から西武に移り、8000形から形式を改めた8000系が運用を開始しました。
譲渡自体も異例ながら、大手私鉄の2社に同じ車両が走る状態が当面は続く見込みで、一昔前には考えられなかったことが現実となっています。

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西武で運行するための改造は最小限とされた8000系ですが、どのような点が変更されているのでしょうか。

車両番号や外見の変化

徹底的なリニューアルが行われているとはいえ、製造から年数が経過している車両であることから、8000系化する際の改造は最小限とされました。
サステナ車両を導入する意義においても、改造内容を絞ることは当然の流れといえます。

小田急から譲渡される1本目の編成は、8000形の8261Fが選ばれました。
西武の粋な計らいで、小田急時代と同じ形式である8000系とされ、8103Fとして改番が行われています。
これは譲渡予定の他編成を考慮して設定されているものと思われ、入線順とはされていません。

譲渡後の車号については、以下のとおりとなっています。

クハ8103:元クハ8561
モハ8203:元デハ8511
サハ8303:元サハ8461
モハ8803:元デハ8311
モハ8903:元デハ8211
クハ8003:元クハ8261

小田急時代とは編成の向きが逆で、西武新宿方が小田原方の先頭車となりました。
各車両の番号を見ると、8403から8703が抜けていますが、既に存在する8500系との重複を避けつつ、10両編成だった場合の配置に合わせたものと思われます。
譲渡にあたっての改造は、小田急エンジニアリングが対応しており、車内にはそれを示すステッカーも貼られました。

外見は小田急時代の姿から大きく変わらず、カラーリングの変更が中心となっています。
ベースの色は引き続きアイボリーですが、西武の4000系等と同じ色とされたため、小田急時代よりも白っぽくなりました。
デザインは社内からの公募で選ばれたもので、コーポレートカラーであるブルーとグリーンを用いて、市松模様とした配色になっています。

各種表記類については40000系に合わせられ、車両の番号は上部にも配置されました。
前面の手すりも存置されていますが、9000系のように黒く塗られています。
あまり目立ちませんが、乗務員扉の脇にある握り棒が変更されており、小田急時代は上下で2本に分かれていたものが、長い1本に交換されました。

スカートも小田急時代のままですが、電気連結器を撤去したクハ8003については、開口部が埋められています。
形状はクハ8103と極力合わせられていますが、細部が若干異なっているほか、溶接の痕が僅かに残りました。

機器や車内の変化

改造は最小限とされたため、機器についても極力そのままとされています。
分かりやすいところでは、種別や行先を表示するLED表示器も交換されず、経年劣化が目立ったままの状態です。
今後10年程度の使用が見込まれる8000系ですが、LED表示器を交換せずに維持できるのでしょうか。

制御装置、補助電源装置、電動空気圧縮機、蓄電池等の主要機器もそのままですが、サハ8303に蓄電池が増設されています。
台車も小田急時代と変わらないアルストムリンク式で、西武では珍しい存在となりました。
パンタグラフもそのままですが、舟体は西武の標準品に交換されています。

保安機器については、当然のことながら西武仕様に変更され、外見こそほぼ同じながら、列車無線のアンテナも交換されました。
運転台も大きくは変わっておらず、小田急らしさを残しています。

車内については、車端部の座席が4人掛けから3人掛けに変更されていますが、全体の幅はそのままとなっているため、かなりゆとりのある幅となりました。
広告枠は西武仕様に変更し、室内灯もLED化されたほか、合わせて防犯カメラも設置されています。

各種機器がそのままとなっているため、走行時を含めた音は小田急の車両そのものです。
駅や踏切で聞ける音は当然西武であり、音のコラボレーションが楽しめるのは、譲渡車両ならではでしょうか。

おわりに

最終的には7本が揃う予定で、国分寺線用として活躍する8000系。
既に拝島線での走行は確認されていますが、今後の動向次第では、運用範囲が若干広がる可能性もありそうですね。