30年から40年程度で引退することが多く、現在は8000形の置き換えが進められている小田急の通勤型車両。
リニューアルの有無や状況により、30年に満たない年数で廃車となるケースもあり、形式や編成によってそのあたりの運命は分かれてきました。

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そんな小田急の通勤型車両ですが、全体的には長寿命化の傾向にあると感じており、少し考えてみたいと思います。

車両から感じる長く使いそうな要素

かつては冷房化や車両の大きさで、その後は複々線化の過程で短命となった車両が小田急にはあります。
時代の変化に対応するため、やむを得ないことだったとは思いますが、まだ走れそうな車両が引退していくのは、いつの時代も寂しく感じるものです。

近年の事例では、1000形の半数が未更新のまま廃車となり、今後は2000形や3000形の初期車もリニューアルはしないものと思われますが、これらも含めて違う傾向になるかもと考えています。
10両固定編成を中心に、車両を長く使いそうな動きが多く、方向性が変わっていきそうだと感じているためです。

長く使いそうな車両としては、3000形の3次車以降の編成で、リニューアルを行わない車両についても、そう簡単には引退させないように思います。
3000形においては、登場からかなり年数が経過してから8両を10両化しており、こういった面を考慮しても、早期に引退させる可能性は低いといえるでしょう。

4000形と5000形についても、長く使いそうな動きをしています。
千代田線への乗り入れから4000形が撤退する気配はなく、ワンマン運転に備えた機器の搭載も行われたことから、まだまだ活躍は続くでしょう。
5000形は設計の段階から長く使う前提が感じられ、かなり力を入れた車両に仕上がっている印象です。

置き換えのハードルが上がりそうな未来

小田原線におけるワンマン運転の開始といった不確定要素はありますが、前提として今後は置き換えのハードル自体が上がるように考えています。
各社で車両の大量増備が行われていた頃と比較して、資材等の価格は上昇しており、新車にするのが結果的に低コストであるという時代でもなくなってきました。

電気を大量に消費する抵抗制御車や、整備が大変な車体が普通鋼製の車両であれば、置き換え後の維持コストが下がりましたが、今後置き換えられるのはそういった車両ではありません。
技術の進歩もゆるやかになりつつあり、車体はステンレスやアルミが基本、内装も昔より傷みにくくなったことを踏まえれば、新車を入れるサイクルを早める理由がなくなってきたともいえます。

本線系から支線へという流れも、今後はしにくくなりそうです。
10両固定編成が多数派となり、あえて中間車を廃車して短編成化する理由もなく、今後の6両は最初から支線用として造られるのではないでしょうか。
8000形が今も最前線で活躍していることからも分かるとおり、古い車両は支線にという時代ではなくなっているように思います。

労働人口が減少する現代において、今までのようなペースで車両を造ること自体ができない可能性もあります。
5000形の増備ペースが上がらないことにも、そのあたりの理由が隠れているのかもしれません。

おわりに

新車を入れるメリットが大きい時代を過ぎ、車両を大切に長く使用することも選択肢になってきたように思います。
西武が小田急の中古車を導入して世間を驚かせましたが、それだけ現代水準の車両は長く使えるということでもありますね。