藤沢駅を起点として、江ノ島駅を経て鎌倉駅までを結ぶ江ノ島電鉄線。
廃線の危機に瀕した時期もありましたが、近年はインバウンドの恩恵も受け、観光需要による混雑が目立つ路線となっています。

江ノ電の藤沢駅は、ODAKYU 湘南 GATEの中にある高架駅ですが、その隣には中途半端に緑地帯が設けられた道路があります。
このような風景はなぜ生まれたのでしょうか。

藤沢駅付近にある中途半端な緑地帯

小田急やJR東日本の駅からは少し離れ、ベデストリアンデッキを渡った場所に江ノ電の駅はあります。
ODAKYU 湘南 GATEの中に駅が組み込まれていますが、かつては江ノ電百貨店として営業していた建物で、小田急百貨店を経て現在の営業形態となりました。

建物は道路に囲まれた立地となっていますが、西側は幅が広くなっており、中央分離帯を兼ねた緑地帯が設けられています。
街路樹は大きく成長し、ペデストリアンデッキよりもかなり高くなっており、暑い夏でもどこか涼しげな風景を演出していました。

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写真の左側に見えているのが江ノ電の藤沢駅で、特徴的な丸い窓が印象に残ります。
緑地帯はそこまで長くはなく、江ノ電の高架線が出てくる場所で終わっており、170m程度のようです。

旧線跡を現在に伝える緑地帯

一部にだけ設けられている緑地帯ですが、なぜこのような中途半端な範囲なのでしょうか。
先ほどの写真にあえて江ノ電の車両を入れており、これがヒントになっています。

江ノ電の線路を見てみると、石上駅を出てから上り勾配となり、高架線を少し進むと建物の中にある藤沢駅です。
石上駅の手前からは、一方通行の道路が線路を挟む状態となっており、これがそのまま緑地帯部分まで繋がっています。

緑地帯の手前で江ノ電は右にカーブし、道路を超えるようにして建物に入りますが、以前は線路がそのまま緑地帯部分を通っていました。
高架化される前の江ノ電は、現在の緑地帯部分を通って進み、ロータリーとなっている場所を超えた先に駅があり、小田急の駅とも近い関係でした。

駅前の再開発にあたり、高架化とセットで江ノ電の線路が短縮されたため、その旧線跡が緑地帯として活用されていることになります。
意識しなければ気になりもしないようなことですが、江ノ電が地上を走っていた頃の名残は、現代でもきちんと存在していました。

おわりに

駅の高架化に伴い、小田急等の駅とは少し離れた位置関係になった江ノ電の藤沢駅。
かつての線路跡はほとんど残っていませんが、中途半端な緑地帯が当時の線形を今に伝えています。