藤沢駅を境に運行が分断され、全線を通して運行する列車は僅かとなった小田急の江ノ島線。
スイッチバックが必要な駅でしたが、分断後は終点の駅としての色合いが濃くなりました。

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末端区間となる藤沢駅から片瀬江ノ島駅間は、各駅停車が往復するのが基本となっていますが、藤沢駅での列車の接続は必ずしもよくはありません。
上手く乗り継ぎができればベストなのでしょうが、なぜ接続をよくできないのでしょうか。

2022年に大きく変わった運行形態

藤沢駅でスイッチバックを行い、列車の進行方向が変わる運行形態は、長年に渡って江ノ島線の名物でした。
小田急が江ノ島線を開業させるにあたり、藤沢から先で江ノ電と並行することを避けるための選択でしたが、列車の本数が多くなり、長編成化が進むと、運行上のネックとなっていきます。

藤沢駅で折り返す列車を設定しつつ、多くは江ノ島線内を通して運行する形態を維持してきた小田急ですが、2022年のダイヤ改正で系統を分断することとなりました。
入出庫の関係で、全線を通して運行する列車自体は存在し、特急は片瀬江ノ島駅まで入りますが、多くは藤沢駅での折り返し運転とされます。

系統を分断した理由は定かではありませんが、ダイヤが乱れた際の影響を抑えることが目的にあると考えられます。
藤沢駅の改良工事に関連している可能性もあるものの、現時点ではそれを示す動きは出てきていません。

末端区間の接続をよくできない理由

2022年に系統を分断して以降、藤沢駅を跨いで江ノ島線を利用する場合、必ず乗り換えが必要となりました。
しかし、相模大野寄りでは各駅停車を10分、快速急行を20分間隔で運行しているのに対して、片瀬江ノ島寄りでは一部の時間帯を除いて12分間隔となっているため、藤沢駅での接続は上手くかみ合っていません。

10分間隔で運行すれば、藤沢駅における接続をよくすることが可能となりますが、そう簡単ではない事情があります。
それは、使用する編成数と必要な乗務員の人数で、10分間隔と12分間隔で違いが生じてしまうのです。

藤沢駅から片瀬江ノ島駅間は、各駅停車で6分から7分程度を要します。
現在のダイヤでは、5分から6分程度で折り返しており、これが12分間隔となる理由です。

所要時間は変えられないため、仮に10分間隔で運行しようとすると、折り返しを3分から4分で行わなければいけません。
3分から4分での折り返しは、できないわけではありませんが、人で溢れる藤沢駅を乗務員が行き来したり、少しでも遅れた場合のことを考えると、それを標準とするのはなかなか難しいといえるでしょう。

12分間隔であれば、使用する編成数を2本とすることができますが、折り返し時間を削らずに10分間隔とした場合には、編成数を3本とする必要があります。
必要な乗務員の人数も増えるため、単純に考えても末端区間の運行コストは1.5倍となり、経営的な観点では得策ではありません。
乗務員だけを増やして、段落としという運用をする手もありますが、これも人件費の増大を招いてしまいます。

このような背景から、末端区間は12分間隔での運行になっているものと思われますが、藤沢駅を跨いで乗る人がそこまで多くはないという事情も、この選択に繋がっているように思います。
東海道線に乗り換える人は多く、藤沢駅で下車するケースもあるため、そこまで問題にならないというのはありそうです。
スイッチバックをしていた頃は、折り返しの待ち時間がそれなりにあったことや、全ての列車で接続が悪いわけでもないことから、慣れの問題というのはあるのかもしれませんね。

おわりに

系統の分断により、江ノ島線の運行形態は大きく変化しました。
既に変更から3年以上が経ちましたが、今後さらに何らかの変化が生じるのか、そんなことも気になる区間となっています。