小田急の主要種別に位置付けられ、小田原線を中心に多くの列車が運行されている快速急行。
新宿駅から相模大野駅間にかけては、1時間に6本程度が設定されており、少し待てば乗れるようになっています。

20190831_01

多くの列車が運行される一方で、快速急行が混雑しがちという課題がありますが、さらに本数を増やすということは行われていません。
快速急行は、なぜ1時間に6本程度までしか設定されないのでしょうか。

快速急行の運行本数と混雑の集中

全線で見ることができる快速急行は、新宿駅から相模大野駅間で1時間に6本程度が運行され、10分間隔という設定が基本です。
相模大野駅からは小田原線と江ノ島線に半分ずつとなり、両線の長距離利用者をターゲットにしています。
一部は多摩線にも入りますが、回送の客扱いに近い性質のものであり、実用的な設定ではありません。

快速急行といえば、近年は混雑の集中という課題を抱え、分散乗車の呼びかけも行われています。
ラッシュ時に顕著なのは当然として、日中でも明らかに違いがあり、急行が空きすぎているという現実さえ発生してしまいました。

快速急行の混雑は、登戸駅に停車するようになって以降加速した印象ですが、1時間あたりの本数は今日まで変わっていません。
乗車率を踏まえた場合、1時間に9本程度が走っていれば、快速急行の中で混雑の平準化が図れそうですが、6本という状態が維持されてきました。

快速急行を増やすのは難しいのか

単純な考え方をすれば、快速急行を増やせば解決しそうに思えるものの、実際のところは難しいという現実があります。
それは他の列車種別との兼ね合いが生じるためで、簡単には解決ができないのです。

最も影響する列車種別は、快速急行を補完する列車として運行している急行で、こちらも現在は1時間に6本程度が設定されています。
急行の基本パターンは、下北沢駅から新百合ヶ丘駅間で快速急行から逃げ切るというもので、途中駅で急行が快速急行に抜かれることはほとんどありません。

下りの列車を例にすると、新宿駅を快速急行が出発した後、すぐに後を追うように急行が出ていきます。
急行は快速急行を追いますが、停車駅が多い分徐々に離されていき、新百合ヶ丘駅で次の快速急行に追いつかれてしまいます。

このようなダイヤから分かるとおり、快速急行を増やす場合、途中駅で急行を追い抜かなければいけないケースが生じます。
実際に待避する設定も少しはありますが、遅いと感じる急行の所要時間はさらに増加し、停車している時間が増える分運行効率も悪くなります。

待避の問題を解決するために、急行の運行本数を減らすという考え方もありますが、これは成城学園前駅等の利便性を著しく下げるため、踏み切るのは難しいといえるでしょう。
仮に1時間に3本程度とした場合、各駅停車で乗り通すケースや、途中駅での乗り換えが生じてしまいます。

快速急行を続行で走らせ、純増させるというのはどうでしょうか。
これは混雑の平準化という点であまり意味がなく、運行コストの増大も招いてしまうことから、選択肢にさえならないといえます。

現行のダイヤで考えていくと、ダイヤ全体の組み直しをしない限り、本数を増やすのはなかなか厳しいことが分かります。
これを解決しているのが、朝のラッシュ時にのみ運行される通勤急行ですが、全体の本数が多い時間帯だからこそできる芸当であり、全時間帯に適用できるものではありません。

2016年のダイヤ改正において、小田急は20分ヘッドを基本とした運行形態になりましたが、その後の変更によって無理が生じてきている印象もあります。
30分ヘッドに戻すのも簡単ではないように思いますが、快速急行と急行の割合を変えやすくはなりそうであり、今後も現行のパターンを維持し続けるのかについては気になるところです。

おわりに

全体のバランス等も踏まえると、1時間あたりの本数を増やすのは難しい快速急行。
各列車の停車駅が増加したことで、結果として混雑の偏りに繋がった印象もありますが、今後大きく手を入れるようなことはあるのでしょうか。