古い車両からモーター等を流用し、2600形と同様の車体を組み合わせて大型化することで、輸送力増強を図った小田急の4000形。
近代的な車体を持ちながら、古めかしい走行音を奏でるため、小田急では異質の存在でした。

そんな4000形も、1980年代の後半に高性能化が行われ、他形式と性能面が揃えられていきます。
同時に冷房化も行われましたが、高性能化の前後において、4000形の重さはどれぐらい変化したのでしょうか。

旧性能車時代の自重

豪快な吊り掛けモーターの音を響かせ、4000形は小田急線内を疾走していました。
1800形との併結運転が見られた時期もありますが、性能が他車とは大きく異なるため、4000形同士で編成を組むのが旧性能車時代の基本とされています。

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写真提供:小田急指令掛川

パイオニア台車を採用し、外側にディスクブレーキを設置した特徴的な車両でしたが、性能面では最高速度が95km/hに制限されています。
加速性能も劣っていたため、高性能車に混ざって必死に走っていました。

冷房装置を搭載していなかった旧性能車時代、各車両の重さはどのようになっていたのでしょうか。
早速ですが、3両と5両の各編成における、車両ごとの自重を確認してみたいと思います。

以下は旧性能車時代の自重で、括弧内はTS-818を履いた車両です。

【3両編成】
デハ4000:37.10t
デハ4100:37.14t
クハ4050:27.28t

【5両編成】
デハ4000:36.96t
デハ4100:37.14t
デハ4200:36.89t(37.54t)
デハ4300:37.14t(37.79t)
クハ4050:27.28t

3両と5両での大きな違いはデハ4000の自重が異なることで、これはパンタグラフの撤去等が関係しているものと思われます。
デハは車両によって自重が異なりますが、37t前後で揃っている状態で、クハとデハでは10t程度の差がありました。

高性能化後の自重

非冷房の旧性能車として活躍を続けてきた4000形は、1985年から高性能化を行い、同時に冷房装置を搭載することとなりました。
モーターは2400形から流用されましたが、冷房装置の搭載にあたってパイオニア台車の淘汰も行われ、高性能化後は全車両がTS台車に統一されています。

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高性能化後の4000形は、編成も他形式と合わせた4両と6両に再編されました。
運用上の制限がほぼなくなったことから、高性能化後は活躍の場を大きく広げ、他形式との併結運転も日常となっていきます。

冷房装置の搭載等により、高性能化後は重くなったと思われますが、数字上はどうなっていたのでしょうか。
高性能化後の自重については、以下のとおりとなっています。

【4両編成】
クハ4050:32.50t
デハ4000:38.50t
デハ4100:39.00t
クハ4150:30.00t

【6両編成】
クハ4250:30.00t
デハ4200:38.50t
デハ4300:39.00t
デハ4400:38.50t
デハ4500:39.00t
クハ4550:30.00t

結果はこのようになっており、クハは旧性能車時代と比較して3tほど重くなりました。
クハ4050だけがさらに重くなっていますが、4両はSIVをこの車両にも搭載していたためです。

デハについても2tほど重くなっていますが、クハよりは重量の増加が抑えられています。
吊り掛けモーターは重く頑丈に造られているため、高性能化によりそのあたりが相殺された結果なのでしょうか。



写真を提供いただいた小田急指令掛川様は、数々の貴重な映像も撮影されています。
YouTubeにて公開中ですので、よろしければそちらもご覧下さい。

おわりに

他の車両からモーターを引き継ぎ、大きな車体を活かして活躍した4000形。
輸送力の増強が迫られる中で登場した面白い車両でしたが、これからの時代には見ることができないタイプなのでしょうね。