8両や10両の固定編成が多数派となり、一昔前とは全く違う陣容となってきた小田急の通勤型車両。
2000形以降は固定編成化の流れが加速し、近年は10両固定編成ばかりが造られている状況です。

大型車に統一されて以降、小田急の通勤型車両は長い安定期となりましたが、3000形の大量増備へと進む前、1990年代後半の通勤型車両はどんな陣容だったのでしょうか。

1990年代後半の形式別在籍両数

最後まで残った2400形が淘汰されて以降、小田急は輸送力の増強に追われることとなりました。
複々線化事業の推進と並行しつつ、車両は増加する一方の状況が続き、事故や組み替えによる余剰車を除いて、廃車は発生していません。

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最古参として活躍していたのは2600形で、1000形や2000形が増備されていきました。
通勤型車両の安定期は、2000年代に入ると同時に終わることとなりますが、その直前である1990年代後半の陣容はどうなっていたのでしょうか。

早速ですが、まずは形式別の在籍両数を確認してみたいと思います。

2600形:120両
4000形:92両
5000形:180両
9000形:90両
8000形:160両
1000形:196両
2000形:24両

両数はこのようになっており、現在も残っているのは8000形以降の3形式だけでした。
8000形と1000形は廃車が発生していることから、25年以上も経過すると、ほとんどの車両が入れ替わっていることが分かります。

全体の中で多数派となるのは普通鋼製の車体であり、VVVFインバーター制御車は少数派、小田急顔の車両が沢山走っているという状況でした。
現代よりも1形式あたりの在籍両数が少なめで、今よりもかなり複雑な運用が組まれており、とにかく扱う側は大変だったことと思います。

少なかった8両や10両の固定編成

分割併合の全盛期でもあった1990年代は、在籍する多種多様な車両を相互に繋いで走らせていました。
1日を通じて10両編成は目まぐるしくペアが変化し、様々な組み合わせを見ることができる時代だったということになります。

このような背景から、8両や10両の固定編成は少なく、4両や6両が大量に在籍していたのがこの時代の特徴です。
いったいどのような状況だったのか、両数別に編成数をまとめると、以下のとおりとなります。

4両:69編成
6両:75編成
8両:10編成
10両:4編成

現代とは全く逆で、長編成が圧倒的に少なく、ほとんどが4両と6両です。
これらの各編成を組み合わせ、8両と10両にして走らせていたというのが、1990年代における小田急の姿でした。

おわりに

車両の整理を段階的に進め、固定編成化による効率化が図られてきた小田急。
非効率ながら効率的だった面もありましたが、そのような時代に戻ることはないのでしょうね。