新宿駅を起点とする小田原線を本線に据え、江ノ島線と多摩線を加えた3路線を抱える小田急。
様々な自治体を通過しつつ、沿線の多くが宅地化されており、全線に渡ってそこそこ混んでいることが特徴となっています。

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沿線の発展に伴い、輸送力の増強を進めてきた小田急ですが、実際にどれぐらい人口が増加しているのでしょうか。

小田急が通過する自治体の人口変化

全長が120.5kmの小田急線は、様々な市や区の境を通過しています。
以前の記事で境がどこにあるのかを調べたことがあるため、よろしければ合わせてご覧下さい。



多くの自治体を通過するため、それぞれが競い合っているような面もあるのか、全線に渡って発展が続いてきました。
沿線に多く存在した田園風景は年々減少し、ベッドタウンとしての性格が強い地域が占めるようになっています。

実際にどれぐらい発展したのか、自治体ごとの人口を調べれば分かるのではないかと思い、50年間の差をまとめてみることにしました。
データが揃いやすく、区切りがよいことを踏まえて、1970年と2020年の増減を見てみることにします。

以下は自治体ごとの増減をまとめたもので、傾向を見やすくするため万人単位としたものです。

新宿区:-4.1万人
渋谷区:-3.1万人
世田谷区:+15.6万人
狛江市:+2.4万人
川崎市:+56.5万人
町田市:+22.9万人
相模原市:+40.8万人
座間市:+7.6万人
海老名市:+9.2万人
厚木市:+14.1万人
伊勢原市:+5.8万人
秦野市:+8.7万人
松田町:-0.1万人
開成町:+1.0万人
小田原市:+2.5万人
大和市:+13.6万人
藤沢市:+20.8万人
多摩市:+11.6万人

情報ソースに違いがあるため、あくまでも参考値として見ていただければと思います。
当然のことながら、人口の増加分が全て小田急に影響することはなく、面積が広い自治体ほど他社の路線にも人は流れますが、50年間で沿線人口は大きく増加したといえるでしょう。

小田原線においては、川崎市以西での人口増加が顕著に表れており、東京のベッドタウンとしての発展が続いてきたことが分かります。
江ノ島線の沿線も人口が増加しており、両数増や快速急行の運行開始は必然だったといえそうです。

輸送人員の伸びとの比較

とても雑な計算になってしまいますが、各自治体の人口増加を合計すると、225.9万人となります。
1970年が385.5万人なのに対して、2020年は611.4万人となっており、1.6倍の増加という結果でした。

完全に同じ基準での比較はできませんが、50年間で小田急の輸送人員はどのように変化しているのでしょうか。
年度との比較になりますが、傾向を見るために確認してみたいと思います。

まず、1970年度の輸送人員ですが、こちらは約4億人となります。
2020年度はコロナ禍の影響を強く受けているため、2024年度の輸送人員を見てみると、こちらは約7億人という結果でした。

50年間で3億人ほど増加して1.7倍になっており、人口の増加と比較的近い結果です。
利用者を増やすには、沿線の人口が増加するのが最も効果的であるともいえそうで、近年の取り組みにも表れているように思いました。

おわりに

郊外の人口が大きく増加し、遠距離での輸送を重視するようになっていった小田急。
自治体別の人口増加を確認した結果からは、50年間で小田急が変化した背景も見えたように思います。