コロナ禍を経て、鉄道業界の旅客収入が減少傾向となったことで、近年は各社で運賃の改定が相次いでいます。
大きな動きとしては、2026年3月14日にJR東日本が運賃改定を予定しており、消費税の増税時等を除いた場合には、国鉄民営化後初となるそうです。

各社で運賃改定の動きが続く中、小田急は具体的な予定を明言していませんが、その時期は迫っているのでしょうか。

運賃改定に対する小田急の意思

鉄道駅バリアフリー料金制度に関連し、小田急は2023年3月18日に運賃改定を実施しました。
しかし、これはあくまでもホームドアの導入等を推進するためのもので、インフレに連動した運賃改定は未実施の状態です。

小田急における運賃改定といえば、2022年3月12日からスタートした、小児IC運賃一律50円化も記憶に新しいところです。
子育て支援策であり、沿線人口の減少に対する打ち手となっており、中長期的な施策といえるでしょう。

特定の層に対する値下げではありますが、運輸収入に対する割合は1%未満であり、経営的なインパクトは大きくありません。
少し考えれば分かりますが、元々大人運賃の半額であり、小学生である6年間にしか適用されないため、対象となる母数が圧倒的に少ないのです。
それでも、子育て世代にとってはありがたい施策で、上手いやり方だと思います。

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このような動きをもって、小田急に運賃改定の意思がないのかというと、そんなことはありません。
中期経営計画等においては、ワンマン運転の導入といった持続可能な運営体制を構築し、適切な時期での運賃改定を目指すとされています。

運賃改定の時期は迫っているのか

目指すという表現は、少々解釈が難しいものではありますが、インフレが進む現代において、運賃改定は避けられないと思われます。
デフレからインフレへと移行していく中、今の運賃を維持し続けられないのは、難しく考えなくても分かります。

近年の動きを見ていると、こういった土壌を整えようとしているともいえ、そう遠くないうちに小田急も運賃改定に踏み切る可能性が高いように思います。
今も開業時からの設備が使われているような場所もあり、災害への備えといった観点からも設備投資が必要で、インフラの維持という面でも避けては通れません。

公共交通機関である鉄道の運賃は認可制であり、算定には総括原価方式が用いられています。
2024年に算定方法が見直され、設備投資によるコスト上昇が組み入れやすくなり、以前よりも運賃は値上げしやすくなりました。
見直されたとはいえ、運賃の柔軟化を求める声は今も多いようで、国土交通大臣の前提が色々と変化したことも含め、今後の動向が気になるところです。

おわりに

物価高が続く中、運賃の値上げは利用者にとって苦しい面もありますが、避けては通れないものといえます。
平成という時代に運賃がまともに上がらず、利用者が慣れてしまった面もありますが、そういった時代は終わりつつあるのかもしれません。