小田急の現役通勤型車両の中で、最も車体が狭い設計となっている4000形。
東京メトロの千代田線に乗り入れることから、対応する車両限界におさめる必要があったためですが、小田急線内では収容力の面でハンデを背負うことになってしまいました。

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そんな4000形ですが、車体の幅は中途半端な2,770mmとされています。
なぜこのような寸法が採用されているのでしょうか。

4000形の幅に存在する二つの寸法

3000形に続き、拡幅車体を採用せずに登場した4000形は、さらに車体が狭くなってしまいました。
車体の幅で見た場合、3000形の2,786mmに対して、4000形は2,770mmとなっており、16mmの差があります。

どの車両にも共通しますが、車体の幅は一般的に2種類あり、車体自体と手すり等を含めたものに分かれ、4000形についても同様です。
2,770mmという寸法は車体自体の幅ですが、雨樋部分の出っ張りを含めた場合には、2,790mmというのが4000形の幅になります。
垂直車体のように見えますが、実際には台枠から雨樋に向かって僅かに傾斜しており、完全な四角にはなっていません。

この2,770mmという寸法は、東急の3000系や5000系の5101Fに見られるもので、京王8000系も同様の幅を採用しています。
中途半端に感じる数字ではありますが、この寸法自体は比較的よく見られるものです。
4000形は標準化が進む時代に生まれた車両であり、規格の統一によるコストダウンが背景にあったのでしょう。

謎が深まる2,770mmという寸法

規格の統一という背景から採用されたと思われる2,770mmですが、実際にはそれ以前から小田急で近い寸法を見ることができます。
初代の千代田線直通運転用車両である9000形は、車体の最大幅を2,870mmとしていましたが、他の車両と同様に裾を絞ったスタイルであり、台枠部分の幅はさらに狭いものでした。

9000形自体の寸法は資料を見つけられなかったため、同様に裾を絞っている2600形等の寸法を見てみると、最大幅の2,900mmに対して、裾の部分が2,800mmとなっています。
後にいただいた情報によると、9000形の台枠部分も2,800mmだったようで、最大幅を30mm狭くした寸法だったようです。
一般的な寸法から30mm狭くするという面で、共通点を見出すことができました。

東急の5000系は、4000形と同じく東京メトロの路線に乗り入れる車両ですが、2,770mmという寸法が採用されています。
しかし、5000系は2本目から2,778mmを採用しており、さらに中途半端な寸法となりました。

このような寸法となった理由は、色々と調べてみてもよく分からなかったのですが、許容される最大の寸法になっているのでしょうか。
仮にそうだった場合には、ミリ単位での中途半端な寸法を避けるために、2,770mmという幅が生まれたとも考えられそうです。
最近ではE131系が2,778mmという幅で登場しており、今後はこの寸法がスタンダードになるのかもしれませんね。

おわりに

調べれば調べるほど、謎が深まっていった2,770mmという車体の幅。
4000形に採用されたのは、規格の統一が理由であると考えられるものの、その後に2,778mmが生まれたのは、少しでも幅を広くしようとしたということなのでしょうか。