デビューから20年以上が経過し、一部機器の交換や、リニューアルが進められている小田急の3000形。
大所帯であることも手伝い、年々編成ごとの差異が多くなってきており、趣味的には面白くなってきました。

そんな中、10両固定編成である3091FのLED表示器が交換され、注目を集めています。
通常の交換とは違うように思われますが、何かを暗示しているのでしょうか。

クハ3491のLED表示器を交換

多くの編成が製造から20年以上を経過し、LED表示器は経年劣化が目立つようになりました。
実際の状態を見れば、明らかに暗くなっていることは分かりますが、フルカラーの場合は色の鮮やかさもなくなり、限界を感じる個体も増えています。

まだ1000形のリニューアルが行われていた2018年からは、3251Fを皮切りにLED表示器の交換が断続的に行われており、3色からフルカラーへと変化する編成が現れています。
3000形のリニューアルが開始されて以降も、それとは別でLED表示器の交換が行われており、3次車以降では8両固定編成で確認されていました。

LED表示器のみの交換は、初期車や8両固定編成で行われていたため、リニューアルの対象から外れる編成を暗示しているように見えます。
そんな中、10両固定編成である3091Fで交換が発生し、新たなパターンが生まれました。

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交換後はこのような姿となり、シャッター速度を落とさなければ縦に切れるタイプです。
このLED表示器自体は珍しくありませんが、交換されたのはクハ3491だけであり、編成単位での交換ではありません。

仕様が異なるLED表示器は何を意味するのか

1両だけLED表示器が交換された3091Fですが、このようなケースは過去にも見られました。
しかし、その場合には同仕様のLED表示器に交換されており、異なるものに交換するのは新しいパターンとなっています。

細かいことを気にしすぎかもしれませんが、何かを暗示する要素が、今回の交換には隠れているように思います。
修理が難しい状態になってしまい、やむを得ず交換したと考えられる今回ですが、3色のタイプであれば他編成から取り外したものがあるはずで、あえて1両だけを新品にすることはないように思うのです。

少し整理をすると、予防保全での交換であれば編成単位、致命的な故障等であれば個別に交換をしますが、今回は後者のケースで前者の部品を使ったことになります。
見方を変えると、3091F自体での交換が先々で予定されていて、それを見越したうえで仕様が合わせられた可能性があるのです。

8両固定編成のような交換か、それともリニューアルが始まるのか、3091Fは10両固定編成の第1編成でもあることから、妙に気になります。
2025年度のリニューアルが、6両編成の2本となっていることは、何らかの関連があるのでしょうか。

おわりに

小田原方の先頭車だけとはいえ、10両固定編成で鮮やかなLED表示器が見られるようになりました。
ロイヤルブルーの帯との組み合わせでもあり、面白い編成の登場といえそうですね。