時代の変化に合わせ、鉄道のホームに設置されるベンチは進化を続けています。
泥酔客等の転落を防止するため、近年は線路に対して垂直に設置されるケースが増えており、小田急においても対応が進んでいる印象です。

現代では、工場等で生産したベンチを設置するのが一般的ですが、昔はホームの壁に作り付けられるタイプがありました。
特徴は長く連続するスタイルですが、小田急には今も残っているのでしょうか。

昭和を彩るアイテムだったロングベンチ

駅自体の改築等で減る一方ですが、駅のホームを写した古い写真を見ていると、木材で作られた長いベンチが写っていることがあります。
相対式ホームの壁に作り付けられていることが特徴で、鉄道車両のロングシートのように、繋がった長いものが基本でした。



小田急においても、昔は多くの駅で見ることができましたが、時代の流れとともに減少を続けました。
ロングベンチがあるだけで、どこか私鉄らしさを感じるようなところもあります。

このようなベンチは、全国的にも減少を続けているものと思われますが、鉄道会社によっては今も見ることができるようです。
現場で作るといったこと自体が減っている現代において、このような手作り感が溢れるベンチは、とても貴重なものとなりつつあります。

富水駅に残るロングベンチ

数を減らし続けた小田急のロングベンチですが、意外にもまだ残っている駅があります。
小田原線の末端区間にある富水駅に存在し、上りホームで懐かしい姿を見ることが可能です。

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とてつもなく長いといったものではありませんが、壁に作り付けられている昔ながらのベンチです。
かなりの年数が経過しているものと思われますが、比較的状態はよいように見えました。

富水駅は小田原線が開業した当時からある駅で、1970年代になっても木造駅舎が残っていたようです。
その後現在の駅舎に建て替えられたものと思われますが、このベンチはその際に設置されたのでしょうか。

おわりに

もう残っていないかもと思っていた長いベンチは、富水駅に今も健在であることが分かりました。
全駅を調べきれてはいませんが、他にも残っているのかについても気になるところです。