小田急で68番目の駅として、1985年3月14日に開業した開成駅。
近年は優等列車の停車駅に格上げされ、2025年からは快速急行も停まるようになりました。

開成駅といえば、東側に留置線が設けられているのが特徴ですが、駅自体も待避線が設置できそうな構造になっています。
謎が多い開成駅の構造ですが、どんなことを想定していたのでしょうか。

待避線が設置できそうな構造の開成駅

1985年に開業した開成駅は、周辺の他駅と同じように、6両編成までの列車が停車できるホームの長さとされました。
現在はホームの長さを10両分に延長し、優等列車の停車駅となっていますが、そのようになったのは2019年で、比較的近年のできことです。

開成町の拠点となっている開成駅ですが、駅の構造を眺めているとあることに気付きます。
それは待避線が設けられそうな構造になっていることで、用地にも余裕があるように見えるのです。

20251102_12

上りホームから西口側を見ると、このように線路が敷けそうな不思議な用地があります。
柱の位置に少々違和感はありますが、待避線の撤去跡に見えてくるぐらい、そこに線路があったとしても変ではない空間です。

20251102_11

改札を出て自由通路から下を眺めると、ますます待避線が設けられそうな空間であることが分かります。
ホームが新宿方に延長されたため、本線へと繋げることはできなくなっていますが、待避線があったらどんな線形になりそうかさえ、想像ができる状態となっていました。

20251102_10

外に出て駅の外側から見てみると、エレベーターが設置されている場所において、かなり気になる構造がありました。
まるでそこに線路を通すかのような、妙な空間がわざわざ設けられているのです。

待避線が設けられそうな謎を考える

構造だけを見れば、待避線が設けられそうに思う開成駅ですが、それを示す文献を見たことはありません。
気になったので改めて調べてみましたが、待避線を設ける可能性について触れた情報を見つけることはできませんでした。

そこで気になったのは、開成駅が開業する前にどのような広報が行われていたかで、コミュニケート小田急等を漁ってみることにしました。
広報においては、久々の新駅であること、小田急沿線で唯一駅がない自治体だった開成町において、ついに駅ができるということが目につきます。
そして、もう一つ書かれているのは、将来の発展を見越した規模の駅としているということで、広い駅舎や自由通路について触れられていました。

改めて調べてみたものの、やはり待避線に関しては触れられていませんでした。
一方で、保線車両の基地が設けられることや、将来的に留置線を設置する可能性も触れられてはおらず、開業当初から駅の規模に対する明確な説明はなかったことになります。

駅の構造を見る限り、線路が敷けるようにしていたのは間違いないと思いますが、それが待避線を想定したものではない可能性も残ります。
上り線側にも留置線を設置できるように、用地を設けたのかもしれません。
いったい何を想定した空間であったのか、その点についても気になるところです。

何らかの想定がされていた可能性は高そうですが、それについて触れられていなかったのは、周辺の駅に対する配慮だったのでしょうか。
隣接する駅はどちらも他の自治体であり、将来的に大規模化する可能性については触れないようにするという、大人の事情があったのかもしれませんね。

おわりに

考えれば考えるほど、謎が深まっていく開成駅の構造ですが、下り線側には3本の留置線が設けられています。
これは後年になってから設置されたものですが、駅の構造が線路を敷くことを配慮していたからこそ、実現できた配線ともいえそうです。