小田原線の末端である新松田から小田原間において、中間に位置するのが富水駅です。
乗降人員は67位となっており、小田急の中では利用者が少ない駅の一つとなっています。

1927年に小田急が開業した当時に設けられた富水駅ですが、変わることなく続いている駅名には、どのような由来があるのでしょうか。

富水という駅名の由来

開業時に設けられた富水駅は、当時から現在と同じ駅名でスタートしました。
改称をしていない歴史の長い駅名ということになりますが、そもそも由来はどういったものなのでしょうか。

富水という駅名は、地名をそのまま採用した典型的なパターンとなっています。
現在の所在地は小田原市の堀之内ですが、開業当時の地名が富水だったのかというと、そう単純なものでもありません。

駅名の由来となる富水村は、1889年に複数の村が合併して誕生しました。
その中に堀之内村が含まれており、現在の所在地である堀之内はこれに由来するようです。
しかし、富水村の歴史は意外と短く、1908年には他の村と合併して足柄村となっています。

小田急が開業した1927年の時点では、足柄村の堀之内だったことになりますが、駅名には富水を採用したということです。
富水という地名は、用水路や湧水の豊富さに由来しますが、それをなぜ駅名に採用したのかについてはよく分かりません。
消滅した村名を残したかったのか、素敵な響きであるから等が考えられますが、あえて駅名に採用したということになるのでしょう。

実際に水が豊富な富水駅周辺

水に富んでいるから富水というのは、なんとも素敵な地名であり、駅名ですが、富水駅の周辺はどうなっているのでしょうか。
今も豊富な水があるのか、気になったので駅を出てみることにしました。

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駅前で目に飛び込んでくるのは、小田急の協力によって整備された井戸でした。
まさに富水駅を象徴するような存在であり、東口を出てすぐの場所に設けられています。

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2007年に整備された井戸は現在も大切にされているようで、きれいな状態が保たれていました。
池に金魚を放すなといった注意書きがあったものの、何匹か元気に泳いでいる状況となっており、悪い人はいるものだと思いつつも、それだけ水質がよいということでもあります。

駅の周辺を歩いてみると、今も各所に用水路が残っており、流れる水が澄んでいることに驚かされます。
水の中の生き物を捕るためか、何組かの親子を見かけたことから、水とともにある地域なのだということを実感しました。

おわりに

現代においては、水道等が整備されていることが当たり前になり、水で不自由することはほとんどなくなりました。
そうではなかった時代には、水に富んでいる地域そのものが、とても恵まれた土地だったのでしょうね。