2023年に現役を引退し、その後は喜多見検車区内に留置されていた50000形(VSE)について、ロマンスカーミュージアムへの展示が決まりました。
同時に2029年の就役を予定している新型ロマンスカーについても、コンセプトや基本設計が発表され、詳細が徐々に明らかになりつつあります。

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11月17日に出された二つのニュースリリースを読み取りつつ、深掘りしてみたいと思います。

保存と解体が発表されたVSE

引退後は休車と思われる状態が続き、喜多見検車区内に留置されていたVSEですが、ロマンスカーミュージアムへの展示が決定しました。
この流れ自体は既定路線であり、詳細を検討していたというところだと思いますが、一つの区切りとして正式発表がされたということになります。

展示の開始は2026年3月下旬になるということで、2025年度内に間に合わせるということのようです。
ロマンスカーミュージアム内では、やはり不自然に空いていた場所に配置することになるようで、車内にも入れるように整備されます。

気になる保存対象ですが、スペースの関係もあってか先頭車の1両のみで、新宿方の先頭車となるデハ50001が選ばれました。
トップナンバーの先頭車が選ばれる順当な流れですが、特徴的な3号車や8号車の展示はありません。
少々残念に思う気持ちはありますが、本来の編成とは異なる繋げ方をするのは、VSEの美学に反する部分もあるため、正しい選択ともいえそうです。

展示する先頭車以外については、残念ながら解体という表現がされました。
しかし、この部分がとても読み取りにくく、50002Fも含めた19両にかかっているのか、それとも50001Fで残る9両なのか、現時点ではなんともいえない書き方になっています。

そのように考えてしまうのは、最適な方法を検討するために、動態保存をしてきたという表現があるためです。
実際には休車扱いだったわけですが、わざわざこのように表現したことは何を意味するのでしょうか。
見方を変えれば、VSEはまだ走れるということを、公式に認めている状態となっているのです。

結果として、50002Fも解体の運命となるのかもしれませんが、ニュースリリースでは他にも何かを考えていることが暗に示されており、今後何らかの発表があるのではないでしょうか。
解体までに何かを行うのか、それとも別の道を模索しているのか、動態保存してきたという表現も含めて、意味深な書き方となっています。

気になる新型の製造本数

VSEをロマンスカーミュージアムに展示する発表に合わせて、2029年に就役予定の新型ロマンスカーについても、コンセプト等の発表が行われました。
新型車両の形式は80000形とされており、70000形(GSE)に続く番号が採用されています。

形式は発表されたものの、VSEやGSEといった愛称については明言されませんでした。
SNS等では予想が始まっていたりしますが、SEを含めない愛称とする可能性も否定できず、どういったものになりますでしょうか。

気になる車両の構成については、7両編成のボギー車となっており、GSEで到達したと思われる最適解を継承しました。
カラーリングは60000形(MSE)と被るブルー系で、やや意外な展開となっています。
水がテーマになっていることが大きいものの、小田急といえば青のイメージが定着していることから、そのあたりを考えてのことでしょうか。

30000形(EXE)の置き換え用で、VSEの後継車両とされていたことから、分割併合ができる展望席のある車両を予想する方も多かった印象ですが、編成の構成としては無難なものとなりました。
様々な検討が行われたと推察しますが、最終的にはこのようにまとまっていくあたりは、保守的な小田急らしいなとも思います。

編成構成はGSEと同じようなものとなりましたが、用途や気分により選択できる複数の座席種別という、興味深い要素が盛り込まれました。
これが何を意味するかはまだ分かりませんが、VSEのようなサルーンや、20000形(RSE)で設けたスーパーシートのような特別席が考えられるでしょう。

もう一つの気になる点として、今回のニュースリリースにおいては、製造する両数が明言されていません。
編成の構成が7両となったことで、どれぐらい造るのかが予測しにくくなり、4編成となる可能性も否定できなくなりました。

仮に4編成を増備した場合、VSEが引退する前の編成数に戻せることになり、MSEをリニューアルするとした場合には、その際の予備車を確保することもできます。
近年は4両編成を若干持て余していた印象もあることから、分割併合ができないタイプの割合を上げる可能性もありそうです。

おわりに

ロマンスカーに関する新情報が発表され、同時に気になることも一気に増えてしまいました。
ニュースリリースは全てを語らないものですが、そこから色々と読み取りつつ考えてみるというのも、趣味においては楽しい面かもしれませんね。