周辺の再開発に合わせ、駅自体でも大規模な改良工事が進められている小田急の新宿駅。
地上ホームを中心に、以前の風景はどんどん過去帳入りしている状況で、寂しい気持ちがある方も多いのではないでしょうか。

改良に合わせ、ホームではエスカレーターの設置が行われますが、以前から1基だけが特急用のホームに備えられています。
地上と地下に分かれた新宿駅において、ホームにあるエスカレーターは1基だけであり、少々謎の存在です。

1基だけ存在するエスカレーター

小田急で最大のターミナル駅として、多くの利用者が行き交う新宿駅ですが、意外にもホームにはエスカレーターが1基しかありません。
2回目の改良工事が終わったのは1982年ですが、現代ほどバリアフリーという言葉は浸透しておらず、階段を中心とした構造になるのは普通のことでした。

1基だけのエスカレーターは、2番ホームと3番ホームに設けられています。
10両編成の4号車が到着する付近で、南口の改札口に繋がる階段と併設されているものです。

20251122_03

広い新宿駅の構内において、意外にもホーム上にあるエスカレーターはここだけで、存在自体を知らない方もいることでしょう。
ホームが複数ある場合には、同じ位置にエスカレーターが設けられることが多いように思いますが、4番ホームと5番ホームにはなく、6番ホームにもありません。

かなり昔からあるエスカレーター

1基だけという不思議なエスカレーターですが、そもそもいつ頃からあったのでしょうか。
比較的新しいタイプのように見えるので、2000年代に行われた改良工事の際に設置されたのかと思っていたところ、どうやらそれは違うようです。

いつ頃からあるのかを調べてみたところ、1990年代前半の時点では、同じ位置にエスカレーターがあったことが分かりました。
しかし、この時点では1人乗り用の狭いタイプだったようで、後に現在の2人乗りに変更されたようです。
元々は階段とエスカレーターが厚めの壁で仕切られていましたが、2人乗りに変更する際に現在のようなガラスの仕切りになったものと思われます。

厚めの壁で仕切られていることから、1982年の改良工事が終わった段階から設置されていたと推測されますが、当時の案内等を確認してみても、それらしいことは書かれていません。
正確な設置時期は今のところ不明ですが、かなり昔から1基だけのエスカレーターは存在していたことになります。

この位置にだけエスカレーターが設けられたのは、バリアフリー化という目的ではなく、特急の利用者に向けてのものだった可能性が高いものと思われます。
混雑による利用者の滞留を発生させずに、ロマンスカーから降りた利用者にエスカレーターを用意する、そんな背景から生まれたものだったのではないでしょうか。

おわりに

長年に渡って1基だけだったエスカレーターは、改良後にどこまで増えることになるのでしょうか。
今回の改良では、設備の面でも現代水準になることが想定されるため、導線についても変化があるものと思われます。