車両の種類を表すものとして、多くの鉄道車両にはクハやモハといった記号が使われています。
小田急も例外ではなく、車体に表記こそされていないものの、クハ5051といったように決められてきました。

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モーターを装備する電動車において、小田急はデハという記号を使っていますが、開業時に登場した車両にはモハが使われていました。
なぜ小田急はモハからデハに記号を変えたのでしょうか。

戦前の車両で使われたモハという記号

小田急を走る電動車には、デハという記号が使われています。
現在は在籍していませんが、制御電動車の場合にもデハを名乗り、クデハとはされません。

デハを使う小田急ですが、ロマンスカーミュージアムに展示されている1形を見ると、モハの表記を確認することができます。
つまり、昔の小田急はモハを使っていたものの、どこかのタイミングでデハに変化しているのです。
余談ながら、この車両はモハ1と表記されることが多いですが、1形のモハ10と表現しなければ正確ではないように思います。

表記が異なるモハとデハですが、電動車を示すという意味において、両者は同じ意味を持ちます。
前者はモーターのモを、後者は電動車のデを用いているという違いのみで、鉄道会社によって表記が異なるというものです。

大東急の成立による形式変更

小田急の車両がモハからデハになったことには、戦時中に行われた東急への合併が関係しています。
大東急には、小田急の他に京王、京浜急行が含まれていたほか、相鉄の運営も受託していました。

この合併にあたって、各社の車両は形式の変更が行われ、小田急は1000番台を使用することとなります。
形式の変更においては記号も東急に合わせられており、この際に小田急の車両はモハからデハへと変更されました。

小田急、東急、京王、京急は今もデハの表記を使っており、かつて大東急を構成した名残を見ることができます。
相鉄はモハを使いますが、こちらは合併を伴わない運営の受託であったためです。
大東急に含まれない、東京メトロを除いた関東の大手私鉄各社は、いずれもモハという表記を用いており、そんなところからも歴史的な経緯を感じることができます。

おわりに

大東急への合併時に車両の形式を変更し、モハからデハに表記が変わった小田急。
分離独立後もデハを使用し続けており、過去の歴史を静かに伝えています。