フェルメール・ブルーの塗装をまとい、乗り入れ先も含めた広範囲で活躍する小田急の60000形(MSE)。
特徴的な車体のカラーリングは、地下鉄線内を走行した際の見栄えを意識したもので、ロマンスカーに新しいイメージを生み出しました。

全42両が活躍するMSEの中には、3両だけ車体にラッピングを施した車両が走っていますが、新型ロマンスカーとの関係はあるのでしょうか。

60253Fの3両にだけ行われたラッピング

走り出して1年ほどが経過しましたが、MSEには小田原方の3両にだけラッピングが行われた車両が存在します。
ラッピングとはいっても、装飾が行われているようなものではなく、フェルメール・ブルーをラッピングフィルムで再現したものです。

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実際の車両はこのような姿で、小田原方の3両だけ見え方が異なっているのが分かると思います。
検査を出場するタイミングに合わせ、6両編成の60253Fがこのような姿となりました。
現在のところ他の車両に波及するような動きはなく、60253Fだけという状態が続いていることから、何らかの試験的なものであると考えられます。



見え方については、光の当たり方によってかなり違っているようで、写真のように正面から太陽の光を浴びた場合には、顕著に差が出てしまうようです。
一方で、条件によってはほぼ差が分からないような見え方にもなるため、MSEの塗装が複雑なものであることを物語っているともいえるでしょう。

ラッピングと新型ロマンスカーとの関係は

不思議な姿のMSEが走り始めた段階で、何らかの試験であることは想像ができました。
通勤型車両がステンレスの車体ばかりとなり、8000形の廃車が進められていることから、将来的に塗装をやめることを視野に入れるのは、考えられる方向性のように思います。

伊勢原に総合車両所を移転させる際、車体の塗装に関する設備を設けない可能性も捨てきれませんが、タイミングを考えると難しいようにも感じています。
計画では2032年度の竣功が予定されていますが、8000形は全車が引退していたとしても、30000形(EXEα)は現役である可能性が極めて高いためです。

このような前提を踏まえると、塗装とラッピングをコスト面で比較している可能性が高くなりますが、新型ロマンスカーのコンセプトやデザインが発表されたことで、少し違う方向性も考えられるようになりました。
新型ロマンスカーは、車体色に淡い水色を採用するとしており、青系という面でMSEと共通点があるのです。
仮に、車体色をラッピングで表現する方針があった場合には、そのための試験をMSEで行っている可能性があります。

小田急の過去を振り返ってみると、新型ロマンスカーが登場する数年前の段階で、既存車両を用いた何らかの試験を行うケースは実際にあります。
今回の場合は、新型ロマンスカーの設計に着手したと発表した数ヶ月後に走り始めており、タイミングとしては早すぎるようにも思いますが、実際のところはどうなのでしょうか。
そもそも青系でのデザインを小田急が要望していた場合、そのような違和感はなくなりますが、真相はどうなのでしょうね。

おわりに

突如として走り出し、今もそのままの姿で活躍するラッピングを行ったMSE。
他の編成に波及するのか、それとも新型ロマンスカーに採用されるのか、それとも何もなかったかのように消えていくのか、そのうち判明することになるのでしょう。