代々木上原駅で線路が繋がり、1978年から小田急と相互直通運転を行っている千代田線。
営団地下鉄から東京メトロとなり、現在はJR東日本の常磐緩行線も含めて、3社の車両が相互に行き交うようになりました。

小田急の複々線化により、千代田線の線路は緩行線に繋がるようになりましたが、現在も直通運転の主役は準急以上の優等列車となっています。
本来は各駅停車との相性がよいようにも思いますが、増やしにくい事情があるのでしょうか。

千代田線と相性がよさそうな各駅停車

1978年に開始された小田急と千代田線の直通運転は、準急でのスタートとなりました。
当時の小田急は、各駅停車を6両以下で運行している時代であり、10両での運行は必然的に優等列車とせざるを得ませんでした。

運転区間も本厚木駅までと長く、やがて多摩線に入る急行や多摩急行へと移行しますが、優等列車という状況が続きます。
複々線の完成に伴い、直通列車を増やせるようになったこともあり、各駅停車で運行する列車も見かけるようになりますが、全体の中では少数派となっています。

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本来であれば、小田急の緩行線に繋がっていることや、千代田線に向かう利用者が世田谷区内に多いため、各駅停車との相性がよいはずですが、ラッシュ時に限られた本数が運行される程度となっています。
近年は日中の直通列車を急行として、多摩線と行き来する列車に戻しており、運用の効率化に重きが置かれているように感じる設定となりました。

直通運転の各駅停車を増やしにくい事情

大きく増えることはない各駅停車ですが、どんな背景が絡んでいるのでしょうか。
複合的な要因がありますが、それぞれ考えてみたいと思います。

まず、開始当初から続く根本的な問題は、線路が繋がっているのが代々木上原駅であることです。
各駅停車を千代田線に振ってしまった場合、新宿駅から代々木上原駅間の各駅に停まる列車が別に必要で、メインルートとしにくい事情があります。

何らかの方法で前提の問題を解決したとしても、トラブルで直通運転が中止となった場合、各駅停車が減るという問題も無視できません。
優等列車を各駅に停車させての対応が必要となるため、かなり運用しにくいといえるでしょう。

直通運転のメリットが薄れてしまうという面も、忘れてはいけないように思います。
世田谷区内での直通需要が多いとはいっても、乗り換えなしで座って都心に行けるという利点は、長距離の利用者が多い小田急にとって無視できません。
また、日中に直通列車の需要が高いイメージもなく、現在のようなスタイルに落ち着く面もありそうです。

現状では、無理して各駅停車にする必要がないというところなのでしょうが、ワンマン化を見据えた場合には、やや事情が変わってきます。
相互直通運転に使われる車両は、既にワンマン運転用の機器を搭載しており、調整がしやすいためです。
しかし、新宿駅から代々木上原駅間の問題は解決できないため、何らかの工夫が必要となるのでしょう。

思いつくこととしては、急行を新宿駅から代々木上原駅間で各駅に停め、区間急行のような扱いにすることでしょうか。
快速急行への集中に拍車をかけそうですが、ワンマン運転が日中だけといった限定的なものであれば、選択肢になるかもしれません。
準急の停車駅を変更し、新宿駅まで走らせることも考えられますが、日中は設定されていないこともあり、難しいようにも思います。

結局のところ、相性はよさそうに思うものの、なかなかピースがはまらない印象です。
ワンマン運転が始まるとなれば、運転区間を向ヶ丘遊園駅までとすることで、より一層各駅停車との相性がよくなりますが、今後何らかの変化はあるのでしょうか。

おわりに

途中駅の代々木上原駅から分岐していることで、なかなか各駅停車にはしにくい直通列車。
トラブルの際は直通運転が中止となりますが、折り返し運転の設備が充実していないことも、小田急にとっては悩みの種かもしれませんね。