曜日や時間帯により、様々な顔を見せてくれる小田急のロマンスカー。
観光用の列車としてスタートしましたが、現代においては日常利用のほうが多いほどになっており、通勤時の強い味方でもあります。

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1999年にホームウェイ号が設定されて以降、その存在が可視化された通勤用のロマンスカーですが、以前から同様の役目を担う列車自体は設定されていました。
今回の記事では、1970年代に設定されていた通勤用ロマンスカーについて、当時の時刻等を交えて振り返ってみたいと思います。

昔から存在した通勤用のロマンスカー

小田急で最初の複々線区間が完成する1970年代において、ラッシュ時の輸送は既に限界に達している状態でした。
編成を増強する余地はまだあったものの、平行ダイヤにより列車のスピードは遅く、通勤や通学は今以上に辛かったといえます。

そんな時代ではありましたが、通勤用のロマンスカー自体は設定されており、意外にも朝から走っていました。
さすがに朝の本数は限られていたものの、夕方以降は現在のホームウェイ号と似たような設定で、1970年代の時点で原形は完成していたことになります。

当時のロマンスカーには、現代以上の価値があった面も見逃せません。
非冷房車が多く走る時代において、ロマンスカーは必ず冷房が完備された車両であり、現代よりラッシュ時の乗車率も高いとなれば、素晴らしい選択肢だったといえるでしょう。

現代と異なる点としては、停車駅が限られていたことがあげられるでしょうか。
途中の停車駅は町田駅ぐらいであり、多くの利用者が乗降していたそうです。

1970年代に運行されていた時刻

昔から走っていた通勤用のロマンスカーですが、実際にはどのような運行状況だったのでしょうか。
1977年のダイヤを参照し、平日にどのような設定だったかを確認してみたいと思います。

以下はラッシュ時に設定されていたロマンスカーで、新宿駅の発着時刻を記載しました。

【上り】
・6時57分(第52えのしま)
・9時20分(第2あしがら)
・9時48分(第2えのしま)

【下り】
・17時0分(第1あしがら)
・17時11分(第11えのしま)
・17時30分(第3あしがら)
・18時0分(第5あしがら)
・18時30分(第7あしがら)
・19時0分(第9あしがら)
・19時30分(第11あしがら)
・20時0分(第13あしがら)
・20時30分(第15あしがら)
・21時0分(第17あしがら)
・21時30分(第19あしがら)

さすがに上りは限定的な設定であるものの、下りは30分単位での設定がされていました。
上りについても、2回目の改良工事が新宿駅で始まるまでは、もう少し多かったようです。

下りについては、20時以降の列車が町田駅止まりとなっており、通勤用のノンストップ特急だったことが分かります。
50年ほど前の段階で、これだけ高頻度の通勤特急が運転されていたのは、随分時代を先取りしていたともいえそうです。

おわりに

昔から高頻度で運行され、通勤客の強い味方でもあったロマンスカー。
他社に比べて、小田急はラッシュ時の座席指定列車の乗車率が高いように思いますが、こんな長い歴史も定着している背景にあるのかもしれませんね。